誰を好きになろうが、その問題は些細なこと

紫龍と姫と、男たち〜魔性の放浪楽士と王女の恋物語〜

作者 雨 杜和orアメたぬき

第一部 出会い

誰を好きになろうが、その問題は些細なこと


https://kakuyomu.jp/works/16816700429630458363/episodes/16816927861890865679



「麻莉王女。突然の訪問、お許しいただきたい」

「お出かけの予定でしたか?」

「わたくしが?」

「そのようにお見受けする」

「ええ、ちょっと、用がございまして」

⇒会話文の往復ですが、ここに挙げた一文目と二文目はどちらも王寧寧のセリフなので、ひとつにまとめるか、間に地の文を入れてください。


「いいでしょうか、王女。我が国は小国であり、他国に常に狙われている。間者が常に身近にいると思ってください」

⇒「他国から常に狙われている。」ですね。あとは「間者」に「すぱい」とルビを振る是非は問われるかもしれませんね。とりあえずわかりやすく、というのなら許容範囲かと思いますが、中華風ファンタジーを意識する方は西洋語の使用は引っかかる可能性もあります。「すぱい」でなく「にんじゃ」とでも振れば日本語としては使いやすいのですが、それならわざわざ「間者」とかく必要がないんですよね。ここで最も使い勝手がよい言葉は「内通者」ですね。




※構成について。

 前半がリュウセイ、後半が王寧寧になっていますね。

 翌日ではあるのですが、シーンが大きく切り替わっているので、本来は別の話に分けたほうがよいのですが、そうすると文量がうまく配分できなくなりそうです。

 まあ話の内容自体はリュウセイについて語っているので、今回はこの構成でもよしと致します。

 どの程度時間と場所が隔たったら別の話に分けるのか。

 その基準を持っておくと構成上はよいですね。


 展開について。

 リュウセイは「もう時間がきたようです。今日は、とても楽しかった」と書いてあるので、麻莉の心をある程度理解しているのかもしれませんね。 

 そういう含みを持ちながら、翌日の王寧寧との会話でリュウセイに触れられているという展開なので、読み手もバレる、バレてる! というこれまでとは異なる焦りの感情が出てくるところです。

 女子中高生をメインターゲットにしているので、こういう「バレる!」という焦りは共感が高いんですよね。

 そしてなにやら不穏な空気を醸し出して引ける。

 次回以降の展開に不安を感じさせる、よい惹きだと思います。



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