抱いてくれたら……
紫龍と姫と、男たち〜魔性の放浪楽士と王女の恋物語〜
作者 雨 杜和orアメたぬき
第一部 出会い
抱いてくれたら……
https://kakuyomu.jp/works/16816700429630458363/episodes/16816927861693287937
襦裙の巻きスカートでみぞおち辺りを締め付けられ、返事ができなかった。
⇒「巻きスカート」でよいのでしょうか? 中華ファンタジーで「スカート」はどこまで許されるのか、ちと判断しかねます。
※構成として。
リュウセイが退場して、翌日の宴が始まる。
寄り道なしの動く歩道のような構成ですね。無駄がありません。
アメ様の作品の特徴として「部」構成が挙げられます。
そして「カクヨムコン」で『薄墨色』が成功して、『フレーヴァング』が失敗したのは、「部」の割り振りがふじゅうぶんだったから、と見ています。
それぞれの「部」の構成を見ると『薄墨色』はある程度均等に割り振られているのですが、『フレーヴァング』は後半で尺が短くなっているんです。つまり後半が今ひとつ説明不足に陥っていたところがあります。
ですので、本作もある程度「部」の割り振り、配分をしっかりとコントロールしてみてください。起承転結で、「転」を急ぎすぎて「結」が詰まるというのがいちばん落とし穴になりそうです。
今10,767文字ですのでまだ全体の1割程度です。10万字を目安にすると「起」は25,000文字ほどになりますので、宴の終わりまでは確実に入りますよね。そこからどれだけ話をつなげるか。または18,000字程度で早々に切り上げて「承」に入ってもよいですね。「起」は物語の設定、世界観とキャラクターを読ませるパートなので、それが済んだら速やかに「承」へ移ったほうが、ターゲットの女性も華やいでくれるかと存じます。やはり「設定」なんて読んでいてもそれほど面白くはありませんからね。
主人公とパートナーのふたりがどんなふうにくっついたり離れたりするのか。それを読んでやきもきしたがっているのですからね。
そのあたりも考えて、「部」のペース配分をしっかりと見据えてみてください。
読み手がいちばん読みたいのは「転結」の部分です。ここでふたりに訪れる出会いと別れ、そして再会といった一般的なものであっても、読み手はハラハラ・ドキドキしてくれますからね。
展開として。
そこでもまだリュウセイのことが頭から離れない。
過去を振り返り、感傷的になるのも、それを振り切ってのお披露目の場。
麻莉の心の変遷を巧みに追っていてよいですね。
女性なら、高校受験を達成しての高校デビュー、大学に進学しての大学デビューや、就職して社会人デビュー、結婚してからの妻デビューと出産してのママデビューといった頃の不安感を思い出すかもしれません。
そういったあたり、読み手の共感を得やすいエピソードだと思いますので、ひじょうに惹きの強いシーンに仕上がっていますね。
これは元作でも感じていましたが、中華ファンタジーであるこちらのほうが読み手に近しいぶん、共感力でも軍配が上がりますね。
ということで「部」の配分に気を配りつつ、当初のプランどおり進めてみてくださいませ。
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