ブロマンス

https://kakuyomu.jp/works/16816452220315287250/episodes/16816927859392221584



 10,000人ほどか、規律正しく長方形の形に並ぶ兵隊は、朝焼け光を浴び、身体から白い靄が立ち上っていた。

⇒「長方形の形」は見てのとおり「形」の字の重複です。

 「方」は「四角」の意で、「長」は「正方形からどちらかが長い」わけですよね。

 その形なので「長方形」です。

 解決策として最もよいのは「規律正しく長方形に居並ぶ兵隊は、」ですね。



 こちら側に陣取る数名の魔術師たちが、なんと、か弱く見えることだろう。

⇒「こちら側」とはどちらでしょうか。

 冒頭に「ヴィトセルクが騎馬で門から飛び出したとき、」とあるので、今ヴィトセルクは王城の外にいますよね。そして1万名の方陣に向けて進んでいる。

 そのうえでの「こちら側」と書いてあれば、今魔法術たちはヴィトセルクとともに城外にいて方陣を攻撃しようとしているように感じられます。

 「城壁の向こうに陣取る」と書くと、今度は城外にいるヴィトセルクに城内の魔術師が見えるのか、となってしまいます。

 「わが軍に所属する数名の魔術師たちが、」と書くと、ヴィトセルクから見える範囲にいることがわかります。

 ただ、アメ様の意図とは異なっているかもしれません。



その姿に、心ある王室関係者者は嘆いた。

⇒「王室関係者は」ですね。





※後半の話は、ヴィトセルクとレヴァルの絆を描いていますが、今書かなければならないのか、と考えます。

 レヴァル初登場のときはクロード視点だったので、この話を挿入できないにしても、城壁の魔法陣を張ってくれという展開のときに差し込めたはずです。

 今見ると、ゆうすけ様も同様のお考えですか。

 ただ、ヴィトセルク視点からだとレヴァルを目の前にするシーンが少ないから、と言い逃れできそうですね。

 ですが、城壁の魔法陣を、という段階で差し込んだほうが自然ではあります。


 『薄墨色』は苦労して書いたのでかなりレベルの高い構築がなされています。

 それだけ構成をしっかりやっていたということですね。

 『フレーヴァング』はタイトルからクロード主役の話で、私としては「クロードをもっと目立たせないと主役にならない」と考えます。だから今回のレヴァルの話が必要なのか、とも。というより「クロードの一人称視点」を推奨して、マリーナもヴィトセルクも、クロード視点で語らせたいところです。

 ですが本格的な「戦記もの」が初とのことなので、書きやすいほうがよいだろうと「三人称一元視点」で落ち着けました。「三人称視点」だと物語そのものがぼやけてしまいますので。

 

 『薄墨色』でも書いたのですが、アメ様はきちんと物語を構築してからなら、確実に二次選考を突破できるだけの実力があります。

 なので、執筆前でいかに準備万端整えられるか。そこに二次選考突破の鍵があると思います。

 ですが『フレーヴァング』のほうは思い入れのあるキャラクターが出てくる反面、物語の本筋よりもキャラクターの魅力を出したいという意志を強く感じます。

 もちろん「キャラクター小説」でもある「ライトノベル」を目指すなら、キャラクターをいかに魅力的に書けるかが勝負です。


 私が書くなら断然「クロードの一人称視点」にします。

 思い入れのあるキャラクターを出したとしても、それは本作完結の物語からすれば意味がないのです。たとえば前作の主人公マリーナも、本作ではあくまでも脇役で徹底します。

 過去作を読まなければ、「あのときのキャラクターだ。どんな活躍を見せてくれるのかな」という気にもなりません。

 気にならないので、過去に関することが多くなると、「だからどうした」という思いが強くなるのです。

 今回のレヴァルの話も、まさに初見の方には「だからどうした」に過ぎないのです。


 でこれから本作をどうするか。どう位置づけるか。

 もし次の「カクヨムコン8」にまたこの世界観を用いるのであれば、本作をあくまでもこの世界観への導入に徹した書き方をする手もあります。つまり本作は二次選考通過が危ういという読みです。

 まあ初書きの「戦記もの」ですから、大賞レベルには及ばないのは致し方なしです。

 しかし、できるかぎりよいものにして、ひとつでも多く選考を突破したいところではあります。


 なので、最終章のクロード編をかなり補強したいですね。

 今からでは遅いかもしれませんが、可能であればクロード編でのクロードの活躍と締めのドラマをめいっぱい盛ってみましょう。

 忙しい選考さんなら、最初と最後の手応えを頼りにしますから、いくらか中だるみしても二次選考を通過できるかもしれません。

 物語の魅力を押し出すよりも、キャラクターの魅力を押し出してみる。

 つまり全力で「ライトノベル」に振るのです。


 ライトノベルとしてうまくハマれば、二次選考の突破も見えてきます。

 全体としては、アメ様らしいかっこいい文体ですし、読み手を惹き込めるだけの文章です。

 足りないのは「執筆前の構成」かもしれません。

 『薄墨色』くらいしっかりやっていれば、クロード、マリーナ、ヴィトセルクの三名を主人公格にしても、タイトルの主役クロードを押し出せたはず。


 だから、最終章でクロードを積極的に押し出してください。

 「ライトノベル」としてのレベルを高めるのです。

 ここまでの展開よりも濃い最終章にできるかどうか。

 そこが二次選考突破の鍵を握ると思います。

 主役のクロードさえ活き活きとしていれば、不満のすべてが吹き飛ぶ可能性があります。

 「終わりよければすべてよし」

 ぜひ「ライトノベル」を意識してクロードを盛ってください。



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