王の器になれないようだ

姫と似ているからって俺が身代わり? 残念国家に嫁いで戦争に巻き込まれた翼族の愛と戦い〜弱小国家フレーヴァング王国戦記〜

/作者 雨 杜和orアメたぬき

第2部 弱小国家フレーヴァング王国戦記

第6章 ヴィトセルク

王の器になれないようだ


https://kakuyomu.jp/works/16816452220315287250/episodes/16816927859390692739



こんな弱気を見せるなど、王としてあるまじきだな。

⇒「あるまじき」は連語であり、使用法としては連体詞なので、名詞をとらないとミスになります。ここは「あるまじきことだな。」「あるまじき振る舞いだな。」のように名詞をとれば落ち着きます。



 いつの間にか眠っていたのか。

⇒ここは時間経過がうまく表現できていません。

 たとえばこの前の空行をひとつではなく三つ入れると時間の隔たりを表せます。



レヴァルが外に出るほどの危機を感じているのなら、今日にも危ないだろう。

⇒「危機を、〜危ないだろう」は「危」の字がかぶっています。

 「危ない時機」と「危ないだろう」ですので意味もかぶっています。

 ここは普通に「今日にも突破されるだろう。」「今日にも破られるだろう。」とするのがよいでしょう。



 彼女が王妃の立場であった幼い頃を思い出すと、胸の柔らかい部分がキリッと痛む。彼を見るときの凍るような細く切れ長な目。

⇒ここは表現がうまくない部分ですね。

 この文だと「彼女が王妃の立場であった」のは「幼い頃」のように読めます。たとえば、

⇒彼女が王妃の立場であった頃を思い出すと、胸の柔らかい部分がキリッと痛む。幼い彼を見るときの凍るような細く切れ長な目。

 と「幼い」を後ろにズラすと誤読はかなり防げます。



「母上。今回の戦いは、そもそも勝てる勝負ではありません。わたしの命など瑣末なことです」

⇒「勝てる勝負」で「勝」の字が重複しています。

 一般的には「勝てる戦」とか「勝てる戦い」と表現しますから、ここも「勝てる戦い」にしたとすれば、今度は「今回の戦いは」で重複します。

 ではどうするか。「そもそも今回は勝てる戦いではありません。」とすれば、解決します。ふたつある場合、重ねてひとつに圧縮する方法がありますので、今回のようなさばき方を憶えておくと便利ですよ。



 まっすぐにヴィトセルを狙う。

⇒「ヴィトセルクを」ですね。



「母上、わたしをお信じください」

⇒この場合だと「わたしを信じてください」か「わたしにすべてお任せください」「わたしにご一任ください」あたりかなと。

 尊敬「お〜になる」、謙譲「お〜する」が基本形なので、ここでは、「お信じになる」か「お信じする」となりますが、やはりどちらもおかしい。「信じる」が他動詞なので、相手の動作に使うと少し変なのです。

 「任せる」は自動詞なので、こちらを使うのが一般的です。




※今回のサブタイトルですが、ちょっと引っかかります。

 「王の器になれないようだ」

 と書くと「王の器」に「なれないようだ」つまり「入れ物になれ」と言っているに等しい。

 「王の器ではないようだ」「真の王にはなれないようだ」

 あたりなら過不足なく説明できると思うのですが。

 これはサブタイトルの話なので、アメ様の判断にお任せ致します。


 上記しましたが、時間経過を表す空行がひとつだけだと、ほかの部分と同じなので時間経過を示せません。最低でもふたつ。できれば三つ入れると時間経過を印象付けられます。



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