愛など知らぬ
姫と似ているからって俺が身代わり? 残念国家に嫁いで戦争に巻き込まれた翼族の愛と戦い〜弱小国家フレーヴァング王国戦記〜
/作者 雨 杜和orアメたぬき
第2部 弱小国家フレーヴァング王国戦記
第5章 マリーナ
愛など知らぬ
https://kakuyomu.jp/works/16816452220315287250/episodes/16816927859390678961
「答えがなければ、両方で楽しませてもらうか、どちらが良い」
⇒「楽しませてもらうが、」か「楽しませてもらおうか、」のいがれかだと思います。
※今回も会話文主体なので、直しどころはほとんどないですね。
マリーナのユーセイへの思いの激しさは表現できていると思います。
ただ、これまでの流れからすると、唐突ではありますね。
本作単体で見た場合、「マリーナは過去にユーセイという奴隷と恋に落ちた」ような文章があって、マリーナ視点のときにもユーセイの名前が出てきはします。
でも舌を噛み切るくらいに思いつめていたのかどうか。
そのへんの書き込みがやや薄かったかな、と思います。
ここまで思いを募らせているのなら、ヴィトセルクに愛を感じたのだろうかとも。
まあ恋愛ごとに疎いので、このあたりの変遷はよくわからないんですけどね。
ただ、単体の物語としては、マリーナのユーセイへの思いがやや欠けていた印象はあります。
本作だけを読んでいる方は、この行動を見て「マリーナは奴隷のユーセイのことを心から愛していたのだな」とわかる。つまりこれを読まないとそれがわからないのです。
本作でもこれまでに「ユーセイ」の名は挙がっていましたが、それでも初見さんはこれほどとは思わなかった。
ここで考えたいのは、マリーナのユーセイへの思いを、今回の行動によって唐突に示すのか、以前からマリーナがユーセイへの思いを書いていた場面で「ユーセイがいない世の中なんて地獄も同じ」くらいの激しい思い込みを描いておくのか。つまり「心を閉ざす」だけでなくきちんと葛藤させていたかどうか。
この二択になります。
もちろん前作を読んでいれば前者でまったく問題ありません。
問題があるとすれば、初めて物語に触れるであろう二次選考の選考さんがこの部分を読んでどう思うか、ですね。
よく恋愛もので「あなたなんかに触れられたら舌を噛んで死にます」というセリフが出てくると思うのですが、この手のセリフによる前フリがない状況で、本当に舌を噛んで死のうとする。これをどう評価されるか。こればかりは初見の選考さんの感性次第ではないでしょうか。
もしユーセイへの思いがこれほどまでに強いのなら、ヴィトセルクの前でも「舌を噛んで死にます」くらい言いそうなものなんですよね。でもなにも言わずにヴィトセルクを受け入れた。
なのにレーゲルクドレールの前で、宣言もなくいきなり舌を噛んで死のうとした。
このあたりにマリーナの心の境界線があるのでしょうか。
少なくともヴィトセルクとは面識があって、ユーセイを異世界へ送り返すのに手伝ってくれたので恩義もある。だからヴィトセルクを拒めなかった。
勝手に記憶を探られて、ユーセイを想起されたことを恥じて死のうとした。
ここに行動の飛躍を感じてしまいます。
今この作品を読んでいる方の多くは前作を知っていると思います。
だからこの行動は「必然」のように映るのです。
でもこの作品しか読んでいない人からすると唐突以外のなにものでもない。
この差をどの程度埋めるのか。
前作を知る読み手との暗黙の了解にまかせてよいのか。
前作を知らない人は置いてけぼりでもよいのか。
二次選考を通過するために、初見の選考さんをどのくらい意識するのか。
この作品、ある程度前作の知識がある方向けではあるんですよね。
キャラクターは半分くらいは持ち越しですから。
でも選考さんは読んでいないか、読んでいても判断からは除外します。
もし二次選考を突破したいとお考えなら、次回以降でもかまわないので、近しいところで「マリーナはユーセイしか目に入らなかった」くらい猛烈に愛していたことを説明するべきかもしれません。
アメ様が向き合わなければならないのは、二次選考の選考さんです。
前作を踏まえず、今作だけで勝負する。
マリーナの部分だけでも読み返して、初見さんにも「ユーセイ命」が伝わっているか確認したほうがよいかもしれません。
私の感覚だと、それほど強い思いではなかったように映ります。
それならなぜヴィトセルクを受け入れた? というあたりの葛藤がなく、単に「心を閉ざした」描写で済ませていたはずです。
「心を閉ざす」のは簡単なんです。葛藤を書かずに済みますから文字数も減らせますし。
でも初見さんが「心を閉ざす」イコール「ユーセイへの絶対の思い」とつながるのかどうか。
ここで舌を噛み切るだけでは正直難しいかな。
だから近しいうちにマリーナの「本当の思い」をレーゲルクドレールに語って聞かせるなり、記憶を探られるなりして、読み手に知らしめたほうがよいのでは、と愚行致します。
今回気になったのはここですね。
心を閉ざさず、マリーナ自身の気持ちと向き合えるかどうか。
初見の選考さんにアピールできる文章が出てくるかどうか。
時間のない中で無茶ぶりだとは思いますが、少し気にかけていただけたらと存じます。
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