第1章最終話 王のスピーチ

姫と似ているからって俺が身代わり? 残念国家に嫁いで戦争に巻き込まれた翼族の愛と戦い〜弱小国家フレーヴァング王国戦記〜

/作者 雨 杜和orアメたぬき

第2部 弱小国家フレーヴァング王国戦記

第1章 ヴィトセルク王

第1章最終話 王のスピーチ


https://kakuyomu.jp/works/16816452220315287250/episodes/16816927859244868848



 南門に近づくにつれ騒々しい声が聞こえてくる。


 おそらく、持てるだけの家財道具を身体に巻きつけ、村を後にしてきた民たちの嘆きだろう。彼らは興奮して門番に当たり散らす者、助けを求める者と騒々しい。

⇒ここは「騒々しい」が近いので、いささか単調な表現に見られます。

 ただし、ある種のレトリックを狙っているのであれば、原文ママでかまいません。

 もしレトリックでなかったとしたら、前者を「騒がしい声が聞こえてくる」「やかましい声が聞こえてくる」「かまびすしい声が聞こえてくる」あたりが代替案です。



 地のそこから湧き上がるような声が響いた。

⇒ここの「そこから」はおそらく「底から」と表記するべきですね。

 もし「底」を「そこ」とかな書きしたい場合、「其処」と勘違いされるおそれは持っていてください。読み手をちょっと惑わせてしまいますが、書き手には漢字かなの開き具合を決める権利がありますからね。



※ここでヴィトセルク王が民心を得られるかが決まりますね。

 民心を得ていれば、一週間弱の作戦を団結して乗り越えられるかもしれない。

 という覚悟を見せたかったのでしょう。

 その意図は明確なので、読み手も迷わず読めると思います。

 ここで第一章が終わって、次の視点者にバトンタッチ。

 分量的にもちょうどよいのではないでしょうか。


 ただコメントに対するアメ様の答えをいくつか見て思ったのは、「もうちょっと民衆が沸き上がる声をたっぷりと描写してもよいのでは」ということでした。

 民衆は熱狂しているというより、整然と王を称えているように見えてしまいます。

 今回のラストをちょっと伸ばしますが、「おおおおおう!」だけでなく、さまざまな声や身を躍らせている様を丁寧に描写してもよいと思います。

 熱狂を書くのは殊のほか難しく、私もよくうまくはできないのですが、それでもあえて。

 「読み手を煽ろう」というよりは、計算して「複数の言葉や音量の大きさ、動作の差異」などを丁寧に書いたほうがよかったかな、と感じます。


 ただし、ヴィトセルク王自身が感じたものが、「おおおおおう!」以上のものではなかったのだとしたら、原文ママでもかまいません。

 それだと王は孤独を深めるかもしれませんが。


 だからこそ、民衆の沸き立つ様をより多彩にして、読み手を圧倒できないかを考えてしまいます。


 それ以外は完璧な内容でした。



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