ムチうたれる訓練

姫と似ているからって俺が身代わり? 残念国家に嫁いで戦争に巻き込まれた翼族の愛と戦い〜弱小国家フレーヴァング王国戦記〜

/作者 雨 杜和orアメたぬき

第一部 王族の結婚

ムチうたれる訓練


https://kakuyomu.jp/works/16816452220315287250/episodes/16816700426867093279



 ──これが芝居なら、俺はさながら舞台に置かれた貴重品か。人扱いじゃない。

⇒この第3話で「田舎育ちの彼にとって、はじめての都会だ。」とありますま。゛

 では田舎で芝居の舞台を観たことがあるのか。ちょっとした見解の相違がありそうです。

 たとえば「──これが芝居なら、俺はさながら旅一座の舞台に置かれた貴重品か。人扱いじゃない。」のような補足を入れておいたほうがよいでしょう。



 反抗した気持ちを抑えて立っていた。

⇒「反抗したい気持ち」かなと。



 いかにも威厳のある数名に人が去ると、残った男が「こちらに」と告げた。

⇒ここはわかりにくいのですが、おそらく「いかにも威厳のある数名が去ると」かなと。

 「数名の人が去ると」と書いてもよいのですが、「何名」は人の数え方なので、あえて「何名の人が」と書かないほうがスッキリします。



「おい、嘘だろ。マジかよ、そんな話は聞いてねぇ」と、毒づいたが、彼の言葉を聞く者はいない。

⇒一見正しい「彼の言葉を聞く者はいない」ですが、今クロードが話している侍従は「聞く」はしていますよね。もっと的確に書くなら「彼の言葉に耳を貸す者はいない。」ですね。



 マリーナ妃がフレーヴァング王との政略結婚を前に、奴隷とともに失踪した。

 ヘルモーズ卿は、娘以外の貴族娘がフレーヴァング王国に派遣され、子を産み、かの王国で力を得てもらっては困ると考えていた。

⇒ここは明確に「三人称視点」の中でも悪い「神の視点」になっています。この話をクロードが知っていたのかどうか。知らされたのかどうか。

 もし知らされたのなら「疾走したそうだ。」「かの王国で力を得てもらっては困ると考えていたらしい。」と伝聞と推量で書かなければなりません。

 まるっきり知らないのであれば、ばっさりカットするか。

 裏技もあります。

 この情報が「未来からの伝聞」である、とする方法です。

 ひとつは「あとから聞いた話だが、〜そうだ。〜らしい」とするやり方。

 あとひとつは「奴隷とともに疾走したという。」「力を得てもらっては困ると考えていたのである。」のように「〜という。」「〜のである。」を付けると「未来の情報を先に出しますよ」となりますので、この情報を書いてもある程度違和感は減ります。

 ただ「〜という」「〜のである」文末があまりに続くとご都合主義になりやすいので、情報はできるだけ知った段階で書くようにしてください。

※第3話中に「隠されているけど。本当はね、例の奴隷の男と逃げてしまったらしいわよ」とあるので、この二行の設定はそこまで後ろにずらすべきですね。そこで明らかになったほうがクロードの理解と噛み合います。



 彼女が右手に持つムチを気にしてはいたが、まさか自分の太ももを打ち据えるとは思いもしなかった。

⇒ここの「自分の太もも」は「マルニガンの太もも」なのか「クロードの太もも」なのかわかりづらくなっています。マルニガンのなら「彼女の太もも」とするべきなのですが「彼女が」を先に使っているので「向こうの太もも」と方向で書き分けましょう。もしクロードの太ももなら「こちらの太もも」「俺の太もも」です。



 何かにつけて文句をつけ、必ず、最後にこの言葉がつく。

⇒「つける」「つく」という動詞が一文に三回出てきます。

⇒何かにつけ、文句を言っては必ず最後にこの言葉を(付け)足した。

 これならなんとか一つずつにできます。まあ「足す」は直近「足りないのです」で使われていますが。

 ただし、あえてこの「つける」「つく」で韻を踏みたい「意図」があるのなら、原文ママでかまいません。



「本来なら、お生まれなった時から、お学びになることを、この半年でよくお覚えになられました。マリーナさま」と、マルニガンは最終授業が終わると口にした。

⇒二重敬語になっていますね。「よくお覚えになられました。」は「よくお覚えになりました。」か「よく覚えられました。」のいずれかです。



 その夢は軌跡を描くこともなく消えしまいそうだった。

⇒「消えてしまいそうだった」ですね。



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