ご褒美の……
https://kakuyomu.jp/works/16816452218537897016/episodes/16816452219397214806
ユーセイはつまんでいた指を外して、今度は私の顎に親指を移した。それから、クイっと顔を上向きにされた。
⇒顎に親指だけを当てられて、くいっと顔を上向きにする。
これが可能だとすれば、親指の爪で顎先を押し上げたようなイメージになるのですが合っていますか?
ドラマや映画では「顎先をつままれて、くいっと顔を上向きにされた。」行為は目にするのですが。俗に言う「顎クイ」ですね。
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で、ちょっとした違和感その2です。
マリーナもそうだったのですが、ユーセイもキャラクターが変わりすぎているような気がします。
囚われの身から解放されて、自分の思うように生きていける。
その解放感から過去を吹っ切った、ようにもとれますが、それでも変化の唐突感を強く感じます。
甘々な恋愛小説としては正解なのかもしれないのですが、人間を描くとしたら少し性急過ぎた気もします。
一年ほど囚われの身で、そこから解放されてもすぐには素の自分を取り戻せない。
とりあえず暗い過去と決別するべく、その地を出立する。これは人間として当たり前。
だから人は生き返るためにできるだけ遠くへ行こうとするものですよね。
しがらみを振り切るくらいには遠くへ。
ラドガ辺境国からフレーヴァング王国へ行くのは、現代人の私にも理解できます。
しかし心はそんなに単純にできておらず、とくに一年も囚われの身では、心のすり減りも相当深かったはず。
であれば他人に心を開けるようになるまで、幾ばくかの時間が必要だと思います。
その旅の道中を献身的なマリーナとともに過ごしているうちに、次第にユーセイも心を許していく───ような展開なら、とくに事件をこさえなくてもふたりの距離は縮まっていくかなと。
ユーセイが囚われの身を脱して「ひゃっほーい」と喜び浮かれて、自由を謳歌するような人物には見えない。
とくに心を閉ざしていたように見えたくらい心が沈殿していたら。
とても「ひゃっほーい」とはいかないかと。
まぁこの小説は人間を描く作品ではなく、甘々な恋愛小説であり「いかにして甘く切ない初恋物語を見せるか」を考えるべきなのですが。
人間ドラマに置き換えるのは、恋愛オンチだからかもしれませんね。
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