私の名前を呼んで


https://kakuyomu.jp/works/16816452218537897016/episodes/16816452219040716518



「ふたりにしてあげるわ」

「ええ」

「後で、私も」

「ええ」

「ねえ、私の言っていること聞いてる?」

「ええ」

「マルバツ、テスト」

「ええ」

「やっぱり、まったく聞こえてないわね」

 グルヴィアは肩をすくめて、ドアから出ていった。

⇒ここですが、一人称視点とすればこのやりとりが書かれている時点で「聞こえている」のです。

 もし本当に聞こえていない一人称視点なら、

⇒グルヴィアがなにか言っているようだが、ユーセイから意識が外せない。つい適当に「ええ」と応えてしまう。

 彼女はいつの間にかドアから出ていった。

⇒のようになりはしないでしょうか。

 まぁ創作のフィクションとしては「あり」なのですが。

 エンターテインメントをとるかリアリティーをとるか。

 小説を書くときはどちらのスタンスで行くかを決めておくべきです。

 そしてアメ様は、ここまで読んできたかぎりでは「エンターテインメント」に寄っているように感じます。

 そうであれば、当該箇所は元のままでかまいません。

 こう指摘しているということは、私がリアリティー派になりますね。


 私は何か言葉をかけなきゃ。

⇒「私は」は不要です。


 私は、その自分から離れた名前を、マリーナという、その名前を意識しすぎて気を失いそうになった。

⇒ここは文が混乱していますね。ただし、マリーナの一人称視点なので、この混乱自体が彼女の心の混乱を表していますね。

 構文で正しいのと、表現として正しいのとは必ずしも一致しませんので。



────────


 小説に必要なのは「エンターテインメント」と「リアリティー」のバランスです。

 徹底的にエンターテインメントに振ってもよいし、リアリティーに振ってもよい。

 双方のバランスをとれれば、リアリティーを感じながらも物語を楽しめる。

 だから目指すは「エンターテインメント(フィクション)とリアリティーのちょうどよいバランス(塩梅)」ですね。


 アメ様はすでに独自のバランスをお持ちなので、多くの読み手を獲得できているのだと思います。

 だから「小説賞・新人賞」を狙うのなら、アメ様のバランスが活かせる賞を狙うか、狙っている賞で求められているバランスに少しずつ寄せていけるか。この二択になります。



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