第9話

日菜子に私は青森の十和田湖にいった話をした。人一人生きてるってどうでもいいくらいちっぽけに思えるほど広大で壮大で綺麗なんだ。海のように広く湾になっていて紅葉が湖をふちどる、グリーンに近い透明な水質で遠目からみると雲が湖に反射してうつり、上か下かどちらなのか区別のつかない絶景だ。奥入瀬一本が流れ出る川なんだがこの渓流がまた、ライトグリーンの木々に囲まれて美しい。例えばモルダウみたいな短調の曲は似合わない、小鳥のさえずり、ゆったりしたカフェミュージックが合いそうな大自然だよ。

行ってみたい。日菜子は目を輝かせた。

いつか、一緒にいこう。日菜子さんのギターの質も影響受けるとおもうんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る