欠陥人間

はい。知っています。はい。わかっています。自覚しています。

やりすぎたように思います。人を無意味に傷つけました。私は人間の屑です。ゴミ屑です。

欠陥人間です。

嫌われたい一心でやりました、と今の私は言います。

心がたえられなかったのです、と過去の私は言いました。

どちらが本当なのでしょう。

きっとどちらも本当なのでしょう。

どこまでいっても自分の事ばかりです。

でも、それってやる必要のあったことでしょうか。

いいえ、やる必要はなかったでしょう。

自分が楽になってよかったですね。

どうでしょう。人様の好意を踏みにじって。楽しいですか?

何様なんですか? 私は。

人に好意を向けることすらできない欠陥人間が、よくもまあ正常な人間様をバカにできますね。

すごいすごい。

ああ、本当に愚かです。死んだ方がましです。

見る目がないですね。ええ、本当に

どうして私だったのでしょう。哀れでなりません。

勇気ある行動に乾杯。しかしそれは蛮勇と呼ぶにふさわしかったのかもしれません。

人に好意を向けることを、向けていることをあまりに早く伝えてしまうことを少々省みてほしいものです。

もう記憶にないのですよ。ただただ私があなたを嫌いになったこと以外は。

何がしたかったのでしょうね、私は。


笑い話にしなければやっていられなかったというのは本当でしょうか。

其れさえも偽りでしたら私はもうどうにもできません。

ええ、それも確かに本当の事でございます。

どうしましょうね。


期待されるのがダメなのです。

他者からの感情をどうしても余計なものとしてとらえてしまうのです。

頭がいいとか、優秀だとか、いい子だとか、優しそうだとか。

心配ですら私の首を絞めるのです。

私はそんなにできた人間ではないのです。

本当にどうしようもない人間なのです。

どうしましょうね。

こんな人間生きていていいわけないでしょう。

不必要に人を傷つけて。

ああ、ほらまた他人に迷惑をかけている。

他の人たちも困っているでしょう。

でも自分の心を壊すために笑い話にするの。

自分のせいでおかしくなってしまった罪悪感に殺されそうになるから。

人様の好意を踏みにじった自分を。

あ、ダメだ。自己保身にまたもどってる。


私は他者を舞台のキャラクターのように見ています。皆さんは登場人物です。

舞台には私の形を模した人形もいます。

ええ、もちろん私もいますよ。だけど、あくまで背景に溶け込むような形で。目立たない形で。

私は傍観者。観測者。語り手であり、登場人物で、そして読者であります。

わたしは私ですら話のネタにします。

ええ、もちろんですとも。

愚かでしょう。

私はこの私の人生という名の舞台をゴミで埋めたいのです。

ホラ、私は救いようがないでしょう。地獄行確実です。


どうしようもない人生が私は愛しいです。

こんなものが私の人生です。

どうです? 素晴らしいほどに醜いでしょう? こんなに汚いものほかに見たことがありますか?

私ほどの失敗作が他にあるでしょうか。いいえ、ありませんよ。ないです。

これは私が愛した生きるのが下手な人間たちの誰よりも生きるのがへたくそな人間の話です。

彼らとの違いというのは、私は人間を愛していないということです。

すべてがどうでもいいのです。ええ、期待も何もしていないのですから。


私は結局自分の事しか考えられない屑なのです。

余計なことを考えさせないでください。

ショートして何にもできなくなります。

挙句の果てに責任転嫁してヘイトをあなたに向けます。

パニックになるとそれらを周囲にぶちまけてすべてを台無しにします。

まともに生活が送れなくなるのです。

あらら、自炊をこんなにしなかったのはいつ以来でしょうか。

料理すらできないほどに疲弊したのはどうしてかしら。

何故家に帰ってから泣いたのですか。

何故家についてから崩れ落ちたのですか。

何故あんなにも長い間体が動かなくなったのですか。


もしかしたら部屋を壊したのは私だったのかもしれません。

ぶちまけないで私が消えればよかっただけでしたよね。ごめんなさい。

作品も挙げてないし、書評も満足にできない。

いるだけの置物がなぜ居座っているのでしょう。


事を起こしたのは確かにかの人でした。

しかし、それは罪でしょうか。

想いを告げることは悪いことでしょうか。


確かに罪だったのかもしれません。

かの人に落ち度は確かにあったのかもしれません。

しかし、多くの悪はどこにありましょうか。

事を大きくしたわたくしなのではないでしょうか。

すべてがどうでもよくなってぶちまけてしまった日から、私という人間は狂っていたのかもしれません。


いいえ、わたくしという人間はずっと前からくるっていたのでしょう。

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