あの時、私は自分を守るために言葉を隠した
あれから僕はプライドというプライドをかなぐり捨てた。
自分が「好きだ」という気持ちも、
自分の「憧れ」という言葉も、
自己評価なんて常に底についている。
なけなしの「自尊心(プライド)」を捨てて残ったものは、
抜け殻の私と
色のない世界だった。
何しても卑屈で、
何をしても無感動で、
何かを好きになっても哀れんで、
そう生きてきた。
その生き方しか知らなかった。
「お前は本当にプライドだけは高いな」
「何様のつもり?ただの未成年の子供が、
自立もしてないような子供が、よくそんなにも偉そうにできるな」
思ったことを言っただけで
言われた言葉の数々。
一度ならず、ことある事に言われ続けた言葉たち。
繰り返され、私の心を傷つけて
どれほどの月日がたっただろう。
「プライドなんてない」
何度言ったことか
「そんなものあったためしがない」
何度思ったことか。
どんなに反論していても、
どんな言葉を用いても、
あの人の耳には入らない。
あの人の心には届かない。
私の言葉は無力だ。
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