サムラート様にご挨拶を!


 そのころ、スマンさんとチャンドラさんは……

「スマン様、もうすぐサムラート様がやってこられますが、どうされるのですか?」

「たしかサムラート様は、七時前に来られると伺っています、六時にはここへ帰ってきますので大丈夫です」

「せっかくの閨ですのでね、逃すはずはないです♪」


「そうですよね、ヴィーナス様にお仕えする女で、閨を心待ちにしない女なんて、想像できませんから」

「何べんもいいますが六時には絶対にここにいますから、大丈夫です!」


 でも、そうはいかなかったのですよ。

 突然にヴィーナスさんがやってきたのです。


「スマン、チャンドラも久しぶりね♪」

「今夜はスマンの番でしたね、待ちきれなくてやって来たわよ♪」 

 なんていいながら、スマンさんのお尻なんて触っています。

 当然、もう片方の手はチャンドラさんのお尻です。


「えっ、いまは二時過ぎですよ!」

「だから閨の前に温泉よ!行きますよ!」


 止める間もなく、温泉へとずんずんいくヴィーナスさん。

 慌てて後をおうスマンさんとチャンドラさん。


「あら、だれか先客がおられるようね♪」

 といいながら、委細構わず服を脱ぐヴィーナスさん。


 ズカズカと湯舟に入ります。


 三人の少女はスマンさんかチャンドラさんと思ったようです。


「あら、可愛らしい娘さんがおられるのね♪」


 ラーニーは声のほうへ振り向き固まってしまいました。

 ソミーもウルミラも固まっています。


「どうしたのかしら?私はヴィーナス、貴女たちのお名前は?」

 その時はスマンさんもチャンドラさんも裸になり、侍女のように付き従っています。


「ラーニー!サムラート様にご挨拶を!」

 緊張気味のスマンさんの声でした。

 

 ラーニーは振り返った先の光景に、声も出なかったのです。

 信じられないほどの美しい女、そして醸し出すのは威厳と慈愛……

 平伏したい衝動に駆られ、思考が停止したのです。


 ソミーもウルミラも、同じように思考が止まっているようです。


 スマンさんの声で我に返った三名……

 

 ……えっ、サムラート様!……


 互いに裸ですが、気にしてなんかおられません。

 あわてて、前かがみになり、.相手の右足の甲を両手で触ったのです。

 ソミーもウルミラも、同じように続きます。


「サムラート様、この者は姪のラーニー、そして友達のソミーとウルミラです」

「いまはアプサラス・レディス・スクールの四年生です」


「そう、三人はジャーリアなのよね」

「その通りでございます、私同様、サムラート様の奴隷です」


 少しばかり複雑な顔したヴィーナスさんでしたが、

「学校は楽しい?」

 と聞きました。


「はい、楽しいです!」

 ウルミラが元気よく返事をしています。

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