温泉があるのね♪


 三人は迎賓館に招き入れられました。

 ロビーはカウラパパの崖に面しており、パータリプトラが眼下に見えます。

 時計は一時半をさしていました。


「お昼は食べたの?」

「寮のランチを包んで持ってきたのですが、途中でフロッグ・スパゲッティを食べてしまって……」


 スマンさん、吹き出してしまいましたね。

「あのスパゲッティを食べたの?香辛料がすごいでしょう?よく食べれたわね」

「もう絶対に!一生食べません!」


「では、口直しになにかお菓子でもいかが?」

「いえ、寮のランチを食べないと……もったいないですから……それに手土産のジェレビを、私たちは食べてしまって……」


 スマンさん、じっとラーニーを見つめて、

「本当にラーニーは成長したわね、王宮にいたころは『もったいない』なんて言わなかったわね、立派になって……」


「そうですか……」

 やはりラーニーはまだ少女、大人に褒められると、妙に嬉しそうです。


「そういえばここの管理人さんは、あのスパゲッティが好きらしいわね、まぁ、この地の出身とおっしゃっていたから、食べなれているのでしょうね……」

「じゃあ、これをどうぞ、名物料理と聞いてスマン様に差し上げようと買ったのですが、あの味でしたので……」

「えっ、いいの?」

「どうぞ」


「チャンドラさん、チャンドラさん、フロッグ・スパゲッティを貴女に買ってきてくれていますよ」

 で、チャンドラさんがもらったわけです。

 しばらくスマンさんとチャンドラさんと、よもやま話などしていた三人です。


 すると、

「たしかアプサラス・レディス・スクールの門限って五時半よね……三十分あれば十分ね、車で送ってあげるからゆっくりしていきなさいな、ここには温泉が引いてあるのよ、皆さんも汗を流しなさいな」


 三人はスマンさん勧められるままに、迎賓館の温泉へ……


「迎賓館に温泉があるって、初めて聞いたわ♪」 

「温泉に入りながら、カウラパパ観光なんて最高ね♪」

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