進軍


 戦いは主に海上で行われます。

 大拡張された婦人海上戦闘団の『ラクシュミー艦隊』は、条約加盟国海軍の四隻のスヴァリイェ級海防戦艦をアッサカ王国沖で撃沈、緒戦を飾ったのです。


 引き続きウッジャイン沖海戦、その後の前衛部隊同士の夜戦と、主力同士による艦隊決戦からなる、アールヴヘイムン大海戦に完勝、条約加盟国の連合艦隊は分裂、敗走する各国残存艦隊を始末して、海上覇権を確立したのです。

 

 西方のヴァッサ王国、アンガ王国、コーサラ王国は海上封鎖に国家が崩壊状態、無条件降伏したのです。


 この時期、婦人陸上戦闘団は次の編成となりました。

 第一機械化歩兵師団、第二機械化歩兵師団、揚陸戦旅団、機甲旅団。

 外征部隊編成となったのです。


 燃料としてバイオディーゼルが提供され、チャルーサダ燃料廠が設立されました、ここから精製されるバイオディーゼルはトウモロコシ百パーセント、混ぜることなく使用しても何ら不都合は起こりません。


 機械化歩兵師団は三個機械化歩兵連隊を基幹に、一個戦車大隊が配属されていました。

 粘着型振動破壊弾の一式中戦車改です。

 歩兵部隊には一式装甲兵車が配属、分隊単位で乗車します。

 師団砲兵は機動九一式十糎榴弾砲、サーモバリック爆薬をつめた砲弾を打ち出せます。

 勿論、中身はナーキッドの技術満載ですから威力は保障できます。

 

 アニラの率いる婦人陸上戦闘団にも命令が下ります。

 パンチャーラ王国の制圧です。


「さて、まずはパンチャーラの王都アヒチャットラーを攻略するか」


 あっという間に上陸した揚陸戦旅団、王都アヒチャットラーを包囲、引き続いて上陸した機甲旅団があわてて集結した王国軍を迎え打ち壊滅させたのです。

 

 機甲旅団がパンチャーラ全土を蹂躙、『日干し作戦』といわれる、耕作地破壊作戦を実施したのです。

 つまりは塩を耕地に撒いたのです。


 別働隊がパンチャーラ王国を攻撃している間に、アニラの率いる婦人陸上戦闘団の二個師団はマツヤ王国、シューラセーナ王国、カーシー王国の三国連合軍と決戦を行い、あっさりとこれを粉砕したのです。サーモバリック砲弾の威力は凄まじいの一言だったのです。


 勿論、ここでも『日干し作戦』を実施しています。


「それにしても激しいな……スジャータ執政官は鬼だな」

 『日干し作戦』に対するアニラさんの感想です。


 西方の諸王国は全て無条件降伏したのです。


「アニラ司令官、執政官府よりの偵察情報によれば、敵はクルの副都パータリプトラに、陸軍兵力を集結させているようです」

「艦砲射撃の届かないクルの山岳部で決戦するつもりだろう」


 しばらくして命令が届いた。


 クルの王都であり港湾都市であるハスティナープラを占領、その後、婦人陸上戦闘団は全兵力をハスティナープラに集結させよ。


「いよいよ決戦だ」

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