かっぱっぱー
またストレスのことで申し訳ないないのだけれど、私は胃腸に出るとともに、ストレスの度合いが上がると頭に湿疹ができる。
「また頭に湿疹できたー」
彼に言うと、
「湿疹が広がって、円形脱毛症になって、かっぱ頭になるかもね」
なんて酷いことを返してくる。
「かっぱかあ。嫌だな。
ねえ、私がかっぱ頭になってもあなたはいいの?」
「別にいいよ。花香がかっぱ頭だろうが、モヒカンだろうが。見かけではどうでもいいよ。花香は見かけで好きになるの?」
「ならんね」
そうなのだ。彼は決して私のタイプの外見ではない。でも、私は彼を好きになった。最近彼自身が気にしている、後退して行ってる髪も、ひょろっとしてるのに目立ってきたお腹も、私は愛おしい。ただ、内臓脂肪が増えて病気はしてほしくないけど。
彼も、
「花香は太ってる」
と言いながら私のお腹をよくつまむ。大量の肉が彼の手に収まる。
「どうせ太ってるよ」
「ダイエットのために絶食しないと」
「絶食は嫌だよ。それにそのあと食べると余計に太るらしいよ」
そんな会話がよくされる。
でも、彼は矛盾している。
彼はたま〜に会社帰りにコンビニに寄って、プリンやゼリーを買ってくる。
「それなあに?」
彼が袋を持って帰ってくると私は訊く。
「花香の分はないよ」
口ではそう言う彼。でも袋を見るとちゃんと二つ入ってるのだ。
痩せて欲しいのに買ってくる彼。そして、私の好物も把握してる彼。
痩せなきゃとは思っているのだ。でも、食後二人で食べるデザートはやはり美味しい。
2020.11.29
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます