よくやった、自分。
仕事が終わらず、三時半には起きると彼が言っていた。気になった私は二時半に目が覚めて、眠れなかった。今寝ると三時半には起きれない、そう思ったからだ。
ところが三時半。彼は鳴り出したアラームを止めて、
「もう少し。四時まで寝る」
と即熟睡。もちろん私は眠らない。
四時になった。起こすのは忍びない。でも仕事が終わらず困るのは彼だ。私は心を鬼にして彼の肩を揺さぶった。
「花香……。身体が痛い……」
うーん。どうしたらすっきり起きてくれるだろう。考えた私は彼の身体をを揉むことにした。
「背中から揉むからうつ伏せになって」
私の意図を理解した彼は、大人しくうつ伏せになった。私は首から肩、背中、腰と揉んでいく。足まで揉み終わると、彼はやっと起きる気になったようだ。
「おはよう。ありがとう、花香」
彼は三分ほどで支度をして家を出た。
「いってらっしゃい。気をつけて」
いつものように小鳥のようなキスをかわして、送り出す。
我ながらよくやったと思いながらベッドに戻った。太陽が出るまでの束の間の眠りを貪る。
彼の仕事はなんとか目処がついたようだ。良かった良かった。
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