膝小僧

こんなことを書くと退かれるかもしれないけれど、私は彼の膝小僧が好きだ。


彼は男の割には膝から下が細い。歩くのが好きだから長距離ランナーのような足なのだ。膝小僧も小さいほうだ。

小さいから好きというわけではない。

私には彼の膝小僧は彼の両親の飼っている犬の頭に見えるのだ。

ミニチュアダックスのわんこの頭と彼の膝小僧は何とも似ている。

触り心地が特に似ている。

え? 彼の膝小僧なんか触ってるの? とは言わないでほしい。

触ってます。愛着を持って。


彼はとても毛深い。

私は毛深い、男男した感じは正直嫌いだ。

なのに、愛しているとは本当に不思議で、私は彼の膝小僧から伸びる毛深い脚は愛おしく思える。


「本当に不思議だよね」

言いながら膝小僧を撫でる。


彼は不思議そうに私を見るばかりだ。

でも撫でられて悪い気はしないらしく、なでると返事をするように足をぶらぶらさせる。それがまた可愛いと思う私であった。

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