第7話『エリザの供回り』
「――お、終わったのか?」
「あ、あの虹の化物が、た、倒れた、倒された?」
「黄金の、神の光も止んだ」
「か、勝ったのか?」
余りの展開の速さに、ピースメーカー王国の人間は、誰一人ついていけてない。
それ程に、この数分間は劇的であった。
――そしてそれをなしたゴールドは――
「ふむ。HPだけは、目を見張ったな。流石異世界ステージのカンストモンスター」
平然とそんな事を述べていた。
それぐらいあり方として現地民と落差があった。
「さってと、ドラゴンが奪ったという神話級の剣は、何処だ?」
既に死んだドラゴンの事では無く、盗んだ神話級に関心を向け始めた。
そんな、超越者のゴールドに声が掛かった。
もちらん混乱状態の遠巻きにいる現地民ではない。
「……ゴールド様。只今エリザが、戻りました……」
「おお、エリザベート。露払いご苦労だった。お蔭で邪魔されずに虹の竜王とやれた」
「……いえ。滅相も御座いません。ゴールド様の恩為に励むことができ、エリザは、幸福です……」
「そうか。話は変わるが、奪われたという王国の神話級は、見たか?」
「……いえ。竜王の側使え共もレベル600程度の竜でしたので、神話級程の宝は、所持していませんでした……」
「なるほど。やはり虹の竜王か。持っているのは」
そう言いながら、虹の竜王の遺体を一瞥する。
「よし、あの竜王の死体を改めるか」
「……はいゴールド様。エリザも供回りを致します……」
そう言いながら、ほんの少し、頬を紅葉しながらエリザは、幸福そうにゴールドの後ろについてきた。
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