第七話『吸血姫エリザベートは、メンヘラ・ヤンデレヒロインの本領を発揮し始め、娘の輝夜はソレに苛立つ』

 「ほう。レティシアとあの神話級武装ミソロジーウエポン、中々相性がいいらしいな」


 そんなレティシアの一連の戦いを観察していたゴールドは感心したように言う。


 「うふふ。お父様ぁ今のメイド姫騎士レティシアの攻撃面の強さは『レベル500相当』まで強化されているわよぉ」


 「やっぱりそれぐらい上がるか。まあ、『装備コスト値』ギリギリの高級装備だからな、攻撃武装にコスト全振りすれば攻撃性能は跳ね上がるな」


 そう、ゴールドの言う通りレティシアは、単純に高級武装を使用しただけであの力を振るえているわけでは無かった。


 自身が持つ『装備コスト値』を攻撃武装に振り分けることで初めて劇的なパワーアップを果たせたのである。


 「レティシアのレベルが320だから装備コスト値は『960』対して神話級武装ミソロジーウエポンのコストは『800』見事に偏っているな。コストの大半をあの剣にだけ払っている」


 ちなみに装備コスト値は『レベル3倍分の数値』である。


 「……はいゴールド様。エリザも大変バランスの悪い装備編成だと思います」


 輝夜が答える前に素早く、漆黒のゴスロリ吸血鬼『NPCエリザベート』が話に割り込んできた。

 もしかしたら輝夜ばかり構ってもらっていて思う所でもあったのかもしれない。


 輝夜とまた違う印象の黒髪美少女。

 死人のように白い美肌。

 赤と青のオッドアイ。

 漆黒のフリフリゴスロリドレス。


 そのような個性的な容姿を持つ美少女吸血鬼。

 そんな彼女からの媚びるような視線がゴールドに注がれる。



 ……そんなエリザベート・ブラットムーンに内心少し苛立ちを感じたが、面に出さず輝夜も話に加わった。

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