第三話『これってもしかして異世界転移? いやゲームの仕様だな! あれ? カーミラさんの様子が……』

 それは、玉座に座るゴールドのすぐ傍まで来て頭を下げる、いや下げまくるカーミラからの匂いでした。 


 (馬鹿な! フルダイブゲームでもここまで匂いを再現できるわけがない! まるでリアルの彼女のリーリアが二人きりの時に甘えてくついてくる時に漂う女の子のいい匂いと同じだ!)

 そしてまたある点に気付きました。


 (つゥ! というか、よく見ればゲーム視界映像もすごくリアリティーが上がっているよ! ありえない! まるで現実! フルダイブゲームは、文字通り脳から直接ゲームに繋がるシステムだけど既存技術では、確かこれ以上出力を上げると脳に負荷が出て、危険性があるのではなかったけ?)

 

 そのことに気付き青ざめるゴールド。


 (ま、まずいよ。俺の脳にダメージが?)


 しかしある事に気付いてはっとなりました。


 (いや。まてよ。安全装置があったかな)


 そう。フルダイブゲームにはデバイスに安全装置があり安全にプレイできるのです。


 (じゃあこれは……あ! やりやがったな運営!)


 さらに思案していると、とある答えにゴールドは、たどり着いたようです。


 (そうか! そうか! これが噂のジェネシス2だな!)


 ゴールドが、その見解にたどり着いた理由は、ある噂を聞いていたからです。


 (そうだよな! ジェネシスも今年で十年目。いくらユーザー数3億突破した世界一のフルダイブオンラインゲームでも、そろそろ何かしないとその王座も危うい!)


 その噂は、最近まことしやかにジェネシスユーザーに囁かれる物でした。


 (これが所謂、君たちの課金はこんな事にも使われているよ。か! 今まで糞運営や頭ケチャップ詰まっているだの言って悪かったよ運営! 手のひらクルー! GJ運営!)


 過去の運営への罵倒は無かったことにし。ゴールドは運営をひたすら称えました。


 (まあ。お金は有り余ってそう。去年の世界大会の俺が手に入れた賞金も、オープントーナメント五十位は、1千万円。ジュニアトーナメント一位は、2千万円だったし)


 勝手に納得しながらさらに思案に耽るゴールド。


 (多分サプライズ実装だよね。テストだよね? というかサーバーの負荷とか大丈夫なの? 単なる増設だけじゃ絶対無理だよ。相当新技術を使っている? 寡聞にしてそんなすごい技術は知らないけど。まあ小学生の俺が知らないスゴイ技術が開発されていたのかな?)


 すると安心したのか周りを見る余裕が出来たゴールドは、ある事に気付きました。




 

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