第四話『吸血姫カーミラは単なる美少女では無い。だってメンヘラ入ってるもん』
「ゥう、ひいいひう」
それは、ゴールドの足元から聞こえました。
「あ」
口から言葉を漏れ出ながら、ソレを視界に収めました。
(カーミラが号泣しながら土下座している! これでもかっていうほど土下座している! ……へえ~こんな反応もするのか)
その涙は、床にポタポタと落ちていき汚していく。
カーミラの白い肌は、赤身を増していた。
号泣して興奮したためだろうか。
(とりあえず、取り繕って話を進めよう)
「――すまなかったなカーミラよ。私がある事で思い悩んで余裕を無くし、そなたを蔑ろにしてしまった許せ」
そう言いながら玉座からゴールドが立ち、土下座しているカーミラの肩を掴み、頭を上げさせる。
(あ、あれ口調が勝手に魔王ロールに? 新システムかな? まあいいや)
「うぁあ、ご、ゴールドさまぁ」
頭を上げさせたカーミラを抱き寄せて自身の胸で抱き留める。
とはいってもゴールドは、黄金のロボット騎士甲冑装備なので感触はしないが。
それでも鎧越しからでも、女の子の柔らかさが伝わるような華奢な体を支えて、少しドギマギするゴールド。
「うむ。言葉を重ねるが、すまなかったな」
「い、いえワタクシこそ。冷静さを失い子供のように泣き崩れてしまいとんだ無様を」
「よい。許す」
「ご、ゴールド様。ありがとうございますわ」
カーミラを胸に抱き寄せながら謝罪をしあう二人。
(しかし、なんだろう。俺のさっきからの偉そうな支配者みたいな口調は……正直くどいよ)
ゴールドが、自身の変化に疑問を抱いている時、カーミラが質問をしてきました。
「それでゴールド様。思い悩んだ事とは何でしょうか? ワタクシでお力になれるなら良いのですが……」
遠慮がちだが、こちらをしっかり見ながら、彼女は質問してきました。
「うむ。それなのだが。このギルド拠点……いや世界そのものに異変が起きた可能性がある」
「い、異変ですか?」
「ああ、可能性は、高いだろうな」
「っう! 分かりましたわ。我がギルド拠点・〝天空魔城パラダイスロスト〝内部及び、周辺をさっそく調査いたしますわ」
先程のメンヘラぽく泣き崩れた姿は既になく。
そこには、巨力無比な人外のNPCの美少女がいった。
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