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 互いの陣営に戻った二人は、各々自らの雇い主に詰め寄ったが、双方とも結果は同じだった。イクスは怒りを抑えて冷静に詰め寄っていた。


「あの兵器の行動は一体何なのです?返答の如何によっては私はこの星から撤退させていただく。何か隠していることがあるんじゃないのか?」スーツに内蔵された翻訳デバイスから音声が流れた。


「隠し事など…。私たちの行動の全てを決定しているのは機械やAIなのです。私たちはただ従っているだけなのです。それでこの星はここまで問題なく繁栄を続けているのです。」


「このAI化された星には、あなた方の知らない秘密が隠されていることは確かだ。その手掛かりを得たい。」


「申し訳ないのですが、皆目見当もつきません。エラーとしか言いようがありません。我々にも分からないのです。」


「エラーにしては何か目的があるように見えたが。」


 イクスは冷静に状況を判断しようとしていた。星を戦乱から解放するという当初の目的と照らし合わせても、この惑星の謎を解く事が先決であると判断した。


 彼は独断で他の惑星への介入すらも行うとされているカラーズの一人である。混乱している星の住人を尻目に、超法規的プロセスによりSOOの力を最大限に発揮させ、この惑星のシステムにハッキングを仕掛けた。社会インフラの管理情報から生活物資の配給管理情報、人々の位置情報に至るまで、機械によって統括されたこの星の情報を隅から隅まで調べ上げ、異常はないか確かめようとしたのだった。


 SOOの解析能力を持ってすれば惑星の管理サーバーにアクセスすることは容易である。イクスは、シャイニングを待機させている基地内部から回線を繋ぎ、情報の収集にあたった。そして彼はある一つの点に気が付いた。


「この星のネットワークは一つの場所に集約されているのか。場所はここから500km西にある砂漠地帯の地下深く。こんなものが存在しているなんて、この星の住民たちは気が付いているのだろうか」


 当然、幾千年にも渡って機械に依存しながら生活しているこの惑星の住民が気付いているはずもなかった。何の問題もなく生活が成り立っている以上、人々は危機意識に捕らわれることもなかった。しかし、機械に管理されているという不自然さは、知らぬ間にこの惑星とそこに住む人々を衰退へと導いていた。

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