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 星の地下深く、古い機械で辺り一面覆われたその空間は巨大な地下空洞となっていた。どこが入り口で出口かも分からない、地上世界からは切り離された場所となっている。その中枢には古いAIが据え置かれており、無数のそして太古の戦闘マシーンによって守られた場所となっていた。


 この惑星の統治システムは、ほとんど全てと言って良いほどプログラムされたAIにより成り立っていた。国家としての規範はなく、人々はただプログラムの一部となり何者かによって管理されるしかない存在になっていた。為政者はおらず、システムを管理することに適任とされたものが指示通りに動いていた。


 「ただ一つ決まっているのは、敵対勢力を打破し我々がこの星を統治しなければならないという事だ。際限のない戦いは彼らが作り出している。この戦いには意味があるのだ。戦いに勝利すれば、その意味は解明されるはずだ。」惑星の管理者は言う。


 この星の長きに渡る戦乱は、人々の意志によるものなのか定かではない。星の歴史という巨大なうねりの中で生まれた何か怪物のようなものがどこかに巣くっているのかもしれない。

 

 互いに違う陣営に味方をしてはいたが、イクスもマリーも漠然とそういった不穏さを感じながら己に課された任務や責務を全うしようとしていた。


「…見た所、この星を稼働させているのは全てオートメーション化された機械だ。社会インフラから防衛手段に至るまで、自立プログラムで動くマシーンやAIで機能している。この星の人々は機械に頼り切っているようだ。報告終了」


 イクスは緑の減った、機械で埋め尽くされようとしている風景を見ながら、マリーの言い放った言葉を頭の中で反芻させていた。


 それぞれの模索や思惑が巡る中、惑星では大規模な戦闘が行われようとしていた。

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