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 多元に広がる宇宙の一角、その惑星では長きに渡り混乱が続いていた。人々は何が目的で戦っているのかも分からず、ただ機械による代理戦争が続いているのであった。人類の人口は減り続ける一方で、自己増殖機能を持った機械の生み出す戦闘マシーンの類は増え続けていた。


 星の文明レベルは高く、宇宙を飛び回るSOOについても知られていたが、戦争状態にあるこの惑星とSOOの母星であるオリジナル1は交易を行うまでには至っていなかった。戦争状態にあるこの惑星に下手な干渉を入れ、政治的・経済的混乱が自分たちの星にまで及んでしまう事をオリジナル1が警戒し、通商や国交を結ぶことを躊躇っていたことが一つの理由として挙げられる。


 しかしそれとは別の理由として、この惑星にとってSOOを自分たちの惑星に介入させる、または介入される事が何を示すのか未知数であることが大きな要因となっていた。そのため、この惑星は長らくオリジナル1に観察される形となっていた。


 緊張状態を保っていたインセンリー77と呼称されているこの惑星であったが、一方が新たな力を手に入れようとすれば、もう一方もそれに追随せざるを得ない。彼らは宇宙に向けて助けを求めるのであった。

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