ディメンション・カラーズ

@tornado12

序章

 次元すら超越して宇宙の果てをも超え、別次元の宇宙にまで到達できるテクノロジーを手に入れ、その力の享受を得て繁栄を極める人々がいた。次元を超えた宇宙への到達を可能にしたテクノロジーの詰め込まれたマシーンは、サーチャー・オブ・オリジン=SOOと呼ばれている。


 SOOとは何なのか。端的に言えば、人が乗り込み、あらゆる極限環境での行動を可能とするロボットである。この世界には200機程度のSOOが存在しており、多次元に広がる宇宙を探索している。全高は20メートルほどで、どの機体も宝石のように透き通る外装をしていた。機体のバリエーションは1機毎に異なっており、基本的にはどれも人型をしていた。


 オリジナル1と呼ばれるこの惑星では個々の国々が第1統合政府(First System)、そして第2統合政府(Second System)と呼ばれる共栄圏を作り、他の星々でさえも手中に治める力を持ち、ある時は衝突しながら、またある時は共に戦うことを容認しながら政府同士の力の均衡を保っている。

 

 その中で強力無比な力を持つSOOはこの2つの共栄圏のバランスを保つ中枢を担っている存在である。この星の絶対的な力であるSOOまたサーチャーは、幾多の星々で時に資源を求めて争い合い、時に未知の生命体を相手に共闘しながら、己のあるべき姿を探し続けるのであった。


 しかし人々は、SOOの力、次元すら超越するこの力が本当に自らの手により生み出された力なのか、はっきりとは分かっていなかった。解けない謎があるという事実から自らの惑星の在り方に疑念を抱きつつも、だからこそ広い宇宙に対し、自らのアイデンティティを模索し続けるのであった。

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