第18話中庭デビュー ①

さてゴールデンウィークも開けて三日目、五月晴れが気持ちよく、しばらくはこの天候が続くとテレビの天気予報は言っていた。

ルミ子はゴールデンウィークに僚たちと楽しく過ごした余韻がまだ残っていて実に平和な休み開けだったのだが・・・変化はいつも突然やってくる。僚から一時限目の終わりに「あのさ、ばあちゃんが巻き寿司好評だったて言ったら喜んでいなり寿司たくさん作って、今日皆で食べようか」「「「食べる~」」」三人は弾んで答える、「雪が天気もいいから中庭でみんなと食べたいて、いい?」「「「・・・・」」」一瞬沈黙するルミ子たちだが

「い、いいわよ」

「い、行きます」

「そ、そうよね、天気もいいし」


二時限目、ルミ子は真と真由美にメモ帳の切れはしに「トイレに集合」と書いて後ろの席から回す、真と真由美は後ろを振り返りコクンと頷き了解の意思表示をする。

二時限目の授業を聞き流すルミ子、(雪ちゃん、知らないのかしら中庭のこと、それとも私たちへの挑戦、まさかね・・・)

真(う、う、中庭デビューがこんなかたちで私に訪れるなんて、ルミ子たちと対策をたてないと・・・)

真由美(中庭デビューて、いきなりかよ~、ハードル高いぞ、ルミ子、オカッパどうするんだよ)


そして二時限目が終わりトイレにに集合する三人。

「真、おまえはやっぱ辞めとけ」

「ルミ子の言う通りだ委員長としての立場があるから」

「ルミ子さん、真由美さん、あなたたちが委員長なら辞めときますか?」

「「辞めない」」

「そうです、私は中庭デビューします」キッパリと言う真。

「わかった、オカッパ、どんなことになっても私たちは仲間だ」真の肩に手をのせルミ子は答えた。

「とにかく、あれだ」

「なんですか真由美さん?」

「あーんは、無しだ」

「それな」

「わかりました、でも雪ちゃんが」

「雪があーんしたら絶対阻止する」言いきるルミ子

コクンと頷く真と真由美。


それでは説明をしよう。

中庭デビュー、中庭でお弁当を食べるということは南山高校から古くから伝わる暗黙のルール、晴れて相思相愛となれた恋人たちだけが中庭で、仲むつかしくお昼ご飯を楽しむことが出来る場、あーんとはベタなラブコメ定番の女子が手作り弁当を男子にあーんと言って食べさせる。女子たちにとっては憧れの場だ。それ故、グループ等で弁当を広げようものなら生徒会に報告され、厳重注意され生徒会から学校内のボランティア活動を強いられる。

そこへ、僚、雪、ルミ子、真、真由美たちは今日の昼休み、いなり寿司を食べに行くのだ。



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