第12話そんな顔するなよ
「うふふ」とお風呂あがり、パジャマに着替えてベッドへうつ伏せに倒れ込む、足をバタバタさせる峰山雪。「僚が言ってた通りの人だったよ、小さくて可愛い人だったな、仲よく、ううんそれ以上、妹になって欲しいな、私一人子だったんだもん、僚の事は好きだけど、ま・か・べ・ま・こ・と、大好き、欲張りな女の子だな、私て」また足をジタバタとする峰山雪は百合・百合でもあるのだった。
次の日、ジュンの店にて。
店内は春休みを堪能する女子高生グループ、カップルで賑わっていた、カウンター席にはそういった雰囲気と離れた女子高生二人、留美子と真が並んで座っていた。
注文を聞きに来た店員に「スペシャルパフェふたつ」と留美子。
「あら、留美子さんもですか」とカウンターに胸を押し付けてムニュリと胸を押し付けている、だからやめろよ、おかっぱ、店内の女の子全員敵になってるぞ。と留美子が思っているのを当てるかのように「また、胸が成長したみたいです、私の身長と恋はいつ成長するのでしょうか」とダメ息をつきながら言う。「だから、ちゃんと起きろよ」「はい、ペアルックでデートを楽しんだ留美子さん」と真は背を伸ばした。「それを言うなて、機嫌なおしてよ、パフェもうすぐ来るからさ」
「あと。イチゴのショートケーキとカフェオレで治ると思います」「わかった、わかったから」今月の小遣いぶっとんだわ、へそくりから切り崩さなきゃ。小遣い貯金の残高を計算するのであった。
しばらく沈黙が続き、パフェが運ばれてきた。「えへへ」と笑顔になる真、スプーンをグッと差し込み口へと運ぶ。おまえの胸はパフェで大きくなったなと思う留美子。半分ほど食べたとき「それでは話していきましょうか」真が口火を切った。「ええ」とうなずく留美子。真の瞳が少し潤んでいる。ここは聞く事に徹するべきだと留美子も慎重な顔になる。「高橋僚と峰山雪は家が隣同士の幼なじみです、小さいころから仲がよかったでも雪さんは心臓が弱くて中三の時、心臓の手術をしました」「手術て」「手術は無事成功しましたが一年間、ほとんど自宅療養してました」半分ほどになったパフェをすくい口に運ぶ真、話しを続ける「それで南高を受験できませんでした、僚が先に南高に入学しました、でも雪さんは南高のセーラー服に憧れていました、やさしい僚は一年遅れて受験しろよと雪さんに言いました、そして合格したのです」そうか三月初めのころ僚が嬉しそうにしてたのは雪さんが合格したからなんだと思い出す留美子。
「でも僚は心配していました、雪さんの躰のことを」時々心配な顔してたな僚。
真の目が潤みキラと光るものが、真は白い花柄模様のハンカチを取り出してそっと目をぬぐう。「優しい僚はこの一年、ずっと雪さんの勉強を見ていたそうです」僚そんなことしてたのか、私てなにも知らなかったよ・・・
「雪さんが弱きになったとき、私たちのこと言って励ましてたそうです」「私たちのこと?」「そうです、コホン」と咳払いして真は顔をあからめた。
「ある日、電車の中で困ってる可愛い女の子をたすけたんだ、クラスの委員長でさ、よくクラスのことまとめてる頑張ってる人なんだ南山高校に入学したら、雪と友達になってくれるようたのでみるよ、つまり私のことですね」頬をあかくしながらも真は続ける「それで、夏のとき何か用事があったときテニスコートに行ったらまっ黒に日焼けして笑うと白い歯がキラリと光る太陽みたいな子がいたんだその子とも友達になれたらいいよねと、留美子さん、あなたのことです」「え」「そしたら二学期から私たちと仲よくなれて嬉しいそうに学校のこと雪さんに話していたそうです」僚がそんなこと言ってたなんて、こころにほわっとした暖かいものを感じる留美子。「雪さんは私たちのことを聞くのが嬉しかったそうです、でも夜になると不安になってしまう、僚兄いが私以外の女の子を好きになってしまうと」
「・・・」
「食べてしまいましょ」
「何」
「パフェです、とけてしまいます」いつもの真らしくない声だったのて聞きかえしていた留美子。
しばらくモクモクとパフェを食べる真と留美子。
「やっぱ、僚て優しいよな」
「そうなんです、僚らしいていうか、雪さんもとってもいい子で」
「雪さん」
「うん、私に僚と仲よくしてね、留美子さんもて」
「何故、普通なら私たち恋敵になるのに」
「それが僚のこと、心配していてですね」
「僚のこと」
「ええ、僚のお父さん、お母さんとお兄さん、僚が小学六年のとき交通事故で亡くなっったんです」また白いハンカチを取り出して目をぬぐう真。「そして僚はそれ以来人を好きになれなくなったらしいんです、好きな人を亡くす悲しみをまた繰り返すんじゃないかと」それで療たら私の父さんが病気で亡くなったて言ったら同情心じゃなくて大事な人を無くした人しかわからない瞳の輝きをしてたんだ。「だから雪さん療に、私以外の人ともたくさんいろんな意味の関わりを知って欲しいと」パフェはもう無くなっていた。
少し考えこむ留美子
「イチゴショートケーキとカフェオレ二つ追加お願いします」通りがかった店員に追加注文する留美子。
「どうします、留美子さん」真顔な真。
「真の本心は療のことどう思ってるの」
「す、好きです、療が私のことちゃんとみててくれてたのが嬉しくてですね・・・」
「私も同じ気持ちだおかっぱ、新学期からライバル出現だ、そんな顔するなよ私と真で頑張ってきたじゃん、頑張れるとこまで行こう」半泣きしそうな真の頭を撫でてやる留美子。
「さ、さすがは青井留美子さんです、私もそう思いますケーキ片づけたらシロクロに行きましょう」「何、なんか買うのか」
「Gジャンにブルーのポロシャツ、オフ・・・」「ホワイトのジーンズ」
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