第三話 『学校へ行きたい』

『学校?……普通の学校?』

不思議そうに聞く白


『いや普通の学校じゃなくて……

魔法とか剣とかの学校に行きたい!』


『それって剣聖学院や魔術学院のことかな?

だけどなんでそんな所へ入学したいんだい?』

またもや不思議そうに首を傾げて聞く白


『せっかく異世界に来たんだから

剣とか魔法とか学んでみたいじゃないか!』

(俺の実力もどれくらいなのか気になるし)


『零士の実力は技能の力によって

の生徒を

圧倒しているから そんな所に行っても

あんまり意味がないと思うけどな〜』


(心を見透かされてるってなんか不便だな

……ん?)


『なあ白……いまさっきって言ったよね?

それって特別な学院もあるってことだよね?』


ギクッ

『ナ、ナイヨ〜? 特別な学院なんて

アルワケナイヨ〜 ひゅーひゅー』

顔色が変わり、誤魔化そうとする白


(所々カタコトになってるし……

ってか口笛吹けてねえし·····)


『特別な学院はあるんだな!?』

白に迫って聞いてみた


『あ……あるよ』

驚いた後照れながら言った

(なんでこいつ照れてるんだ?顔も少し赤いし)


『れ、零士?あのさ……近い……』

(……あっ)

俺は思い出したかのように急いで離れた

(そうだよこいつも女の子だった

今まで普通に話してたからすっかり忘れてた)


『なんか……ごめん』

照れながら謝った

(にしても近くで見たら意外とかわい……

……何を考えてるんだ俺は!)


『ごっほん!……話を戻そう』

大きな声でさっきの出来事を

無かったことにしようとする俺……だが


『そ、そうだね』

まだ恥ずかしがっている白

(おいやめろ!

俺まで余計恥ずかしくなるだろ!)


『とにかく!俺はその特別な学校へ行く!

これは確定事項!わかったか!?』


『はぁ〜……わかったよぉ〜

どうなっても知らないからね〜?』

(ん?どういう意味だ?……まあいいか)


『よし!じゃあ街へ行くために

洞窟の入口へ出発だ!白、迷子になるなよ!』

初めての異世界的なイベントで

テンションが上がる零士

まるで探検隊の隊長にでもなった

かのような口調で話す

(……だってこういうのって憧れるじゃん

男子だし?少しはそういうのも

してみたかったし·····)


『迷子なんかにならないもん!

君こそ迷子にならないようにね!』

少し怒ったように言った



それから俺たちはこの洞窟から出るために

入口を目指して歩いた。

もちろん途中に休憩を挟みながら

無理のないように進んだ

街へは行ってみたいけど

走るまで急いではいないからだ


しかし……

そうゆっくりしていると現れる者がいる

そう モンスターだ!


『いやーにしても大きい蜘蛛だね』

洞窟の道を塞ぐ蜘蛛を見上げて白に言った

あまりにも大きいので少し驚いてしまった

まさかこんなところに蜘蛛の巣があったなんて


そう……今結構ピンチなのである


『蜘蛛だー!!!無理〜!!!

気持ち悪い〜!!!来ないでー!!!』

大声で泣きながら岩の物陰に隠れて叫ぶ白

神様なのに虫嫌いみたいだ

神でも虫って苦手なんだ


『よし!じゃあ早速魔法の使ってみるか!』

(だけどここ洞窟の中だからな

火とか使ったら煙とか出るだろうし

水とか風とか使ってみるか)


『突風!!』

そういった瞬間

一方向に吹く強い風が蜘蛛を

まるで紙かのように吹き飛ばして

洞窟の岩に衝突させる


(魔法ってすごいな! 目の前で初めて見たけどてかあれ?魔法名が勝手に出てきたような)


『零士は小級魔法操作っていう技能を

持っているからね 小級魔法なら

なんでも使えるよ!だから早く倒して!

その大きい蜘蛛を早く倒して!!』


(あーそういう感じね

白もあー言ってるし、早く倒すか!

次は水の魔法!)


『よし!水刃すいじん!』

シャキン!


そう叫んだ瞬間、水の刃が蜘蛛にめがけて

勢いよく飛んで行った

そして蜘蛛の全ての足を一瞬で切りとった

声を上げて叫ぶ蜘蛛


(なんかこの技強くね?さっきのより

てかなんか心苦しいな、攻撃って。

なんかかわいそうだけど とどめを刺すか)


『最後は剣を使って見るか』


ステータスにも装備武器として

書かれていたこの刀 妖刀「朧月おぼろづき

妖刀って大丈夫なのかな?呪われないのかな

名前も朧月ってなんか厨二病感が出てるし

というかまずこの世界にも刀ってあるんだな

てっきり無いものだと思ってた

とりあえず蜘蛛を仕留めるか


『……安らかに眠ってくれ!』

シャキン!


零士が蜘蛛の首をねると同時に

その首は静かに地面へ落ちた

蜘蛛の体は横に倒れ、動かなくなってしまった


(……あんまりこういうのは性にあわないな。

……にしてもさすが技能 武器操作!

ちゃんと刀使えるようになってる!

これからもよろしくお願いします!)

そう技能に感謝を心の中で伝えていると

蜘蛛に脅えていた白が出てきた


『お、お疲れ様!零士!

あと……あ、ありがとうね!助かった!』

少し照れくさそうにお礼を言う白

だからそれやめろって!なんか照れるから!


『お礼なんて良いよ!ほら先行くぞ!』

俺は駆け足で白を置いて先に進んだ


『まっ……待ってよ〜!零士〜!』

置いてかれそうになり走って着いてくる白


そしてこの後もモンスターに何度も出会い

順調に倒していく零士

洞窟で何日間も過ごして出口に向かった

そしてやっと洞窟の扉の前に着いた

二人は共に、服は汚れ、疲れ切ってしまった


『やっと出口だ〜!疲れた〜!』

『やっとだね〜 疲れたよ〜』

疲れたせいかため息を着く二人


『早く街に行って宿を探そう!

早く横になって寝たい……

あとお風呂にも入りたい……

こっちに来てからモンスターのお肉と

魔法で生成した水しか飲んでないからね』


疲労困憊するこの数日間で

暁零士が毎日思ったこと……それは

「当分は魔物討伐を遠慮しておこう」

という事だった。

それもそのはず!

実はこの少年、こっちの世界に来てから

魔物しか倒していなかった

どれ程倒したかと言うと、

一部の技能レベルが上がり

新しいスキルが習得できる程だった

つまり!魔物討伐はお腹いっぱいなのである


『そうだね零士……早く行こう……』

クタクタになりながらも返事をする白



こうして、零士と白は

この世界での最初の目標を見つけた

街へ行って、住む場所を探す。

そして美味しいご飯を食べて

お風呂に入ることである


しかしまだこの二人は知らない

この後二人に起こることに……





『やっと着いたね……零士!』


『ああ!ここが……最初の国!……』



『エルニカ王国!!』

『エルニカ王国!!』




【ステータス】

名前:レイジ=アカツキ

種族:人類種ヒューマン

称号:転生者

加護:創造神

魔法:火 水 風 土 岩 氷結 電気 音

ㅤㅤㅤ回復 生活 補助

技能:武器操作 詠唱破棄 中級魔法操作 麻酔

ㅤㅤㅤ身体操作 思考加速 鑑識鑑定 思念伝達

 ㅤㅤ多重結界 超記憶 縮地 想像者 蜘蛛之糸

ㅤㅤㅤ身体装甲 吸収

ㅤㅤㅤ

耐性:熱変動 水 土 風 岩 電気 音

備考:なし

武器:妖刀『朧月』

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