第一章 異世界転生編

第一話 『死して転生 そして異世界』

··········ん?·····ここどこだ?


深い眠りから目覚めた零士が

最初に見たものは真っ暗な空間

·····というより何かの箱の中だった


何かの箱に入ってるのか?

音は聞こえない、光も一切ない


箱の至る所を触ってみると箱の上が動いた

恐る恐る箱の上を開けてみると

開けた箱の隙間から光が差し込む

とても眩しくて目が開けられない


箱から出た零士が見たのは洞窟だった

しかも辺りを見回した感じ最奥部のようだ

岩に囲まれ、綺麗な鉱石があった

しかし、ただ洞窟じゃなかった

洞窟の岩で出来た机や椅子があり

とても生活感のある場所で

まるで誰かがここで前まで住んでた様だった


なんだここ……?


さっきまで入ってた箱が何か気になり

振り返って見てみると棺桶だった


なんで棺桶なんかに入ってるの·····俺·····


服装を見てみると

RPGゲームのキャラクターが

着ているような服を着ていた


なんでこんな服着てるの!?

ツッコミどころ多すぎないか?


そうしていると奥から声がした


「あっ起きた?」


どんどんこっちに近づいてくる·····

とても聞き覚えのある声だった


この声·····まさか·····!?


「ピンポーン!大せいかーい!」

盛大に答え合わせをしてくる自称神


「あっ起きた?じゃねぇよ!

誰のせいで寝てたと思ってんだよ!」


「ごめんごめん! こっちに送る方法で

早いのがあれしか無かったから·····」

笑いながら謝る白

どうやら転生?の方法はあれしかなかった模様


『もっとマシな方法ないのかよ!』

そう聞くと白は答えた


『無いんだよね〜』

苦笑いしながら答えた

"ごめんね"という表情を零士に向ける


『そっか、ならしょうがないな』

少し不服だが納得をする零士


『……ふっ』

顔が見えないように後ろを向いて笑う白


『おい絶対あっただろ!

他の方法だとめんどくさかったとか

そんなんだろ!おい!』


『まあそれより本題へ移ろう』

お茶を濁して話し出す白


(おいこいつ殴っていいか?)

「目」以外は笑う零士……つまり顔は真顔だ

(……まあいいや)


『で?本題ってなんだ?白』

もう問い詰める事を諦めて話しだす零士


『あーそうそう 本題って言うのはね……』


そう白が言った瞬間に場の空気が凍った

緊張をし、零士は固唾を飲む


『……僕もこの世界で

君について行くから!よろしくね!』

照れながらてへ顔をする白


(え? 白が? 一緒に?

いや別にいいけど……何故!? )

頭の中がハテナだらけになった


『なんでって言われても〜理由はないかな』


『ないのかよ! ·····てかそれだったら

別に一緒に来なくていいよ!』

勢いよく突っ込んでしまった

そして同伴を断った


『いや、だけどさ!?

僕が居たりすると魔法とかスキルとか

分かるだろ? サポートも出来るし!

だから……ね?』


(なぜそこまでついて来たがるんだこいつ

謎でしか無かった……慌ててるのも怪しいし

てかこいつ、最初にあった時もなんか

怪しかったな……なんなんだこいつ)


『なあお前は何者なんだ?

俺にそこまで執着する意味もわからないし

何が目的なんだ?』

思っていることを全て質問した


『だから僕は白だ!何回も言ってるように!

君に執着してる理由はいくつかあるが

……まだ言えない……いずれ分かるよ!』

微笑みながらそう答えた


『もちろん!悪いことは

『何一つ』考えてないからね!』


(いやほんとかよ!?……まあ

嘘をついてるようには見えないし

信用してみるか……少しだけ)


『あーわかったわかった!

一緒に来ればいいさ!好きにしろ!』


(もう諦めた……もうどうにかなれ·····)


『色々悩んでいたみたいだけだ

納得してくれた見たいだね……ありがとう

よろしくね!暁零士くん!』

笑顔でそう白は言った


『その……フルネームで呼ぶの止めてくれ』

(なんか……違和感が……)


『おっけー!じゃあなんて呼べばいいかな?』

そう笑いながら聞く白


(うーんそうだな……)


『「れい」とか「れいじ」とかで

普通の呼び方でいいよ 白に任せる』


(正直フルネームじゃなかったら良い!

……名前に関係する名前であれば)


『任せるんだ』

そう言い笑う白


『んー……じゃあ、零士って呼ぶね!』

納得した顔で言う白


『おう!そっちの方が違和感ないな』

ようやくスッキリした









それから俺たちは自分たちのことを話し合った

だが白は俺の事をほぼ知っているので

俺が一方的に聞いているんだが……

コミュ障の俺が良く話せたな

自分のことを褒めてあげたい



『そう言えば白って性別あるの?神様だけど』

(まああるわけないよな 神様だし)


『え?あるよ?あと僕、女だよ?』


思考が固まった……


(ええええええええええええええ!?

白が女の子? 嘘でしょ?

いやまあ男には見えないけどさー?

白も一応神様だから

てっきり無性的なものだと思ってたのに! )


今まで無性として接してきたからか

女の子ってカミングアウトされた時の

驚きが半端じゃない


『え·····まじ?』


『まじ』


『てかまって……白って千歳超えてるよね?

ってことはロリバb』

言おうとした瞬間睨まれた

あーここは女の子でしたごめんなさい


『……ん!? ねえ零士!

ねえちょっとまって! 一応って言った?

さっき僕のこと一応神様っていった?

僕も立派な神様だって言ってるじゃん!

その(仮)みたいな扱いはなんなんだよ!』


底から出る文句を言いまくる白

(こんな白見たことない……そりゃそうだわ

会って1日も経ってねえし

にしてもこんか一面もあるんだな〜意外)


『いや……だってなんかお前……

なんの神様か知らないし……

神様って感じしないし……うん』

失礼なことを遠慮なく言っていく零士


(いやだってしょうがないじゃん 白だし うん)


『僕はね この世界の神様なんだ!

まあ所謂いわゆるこの世界の創造主ってやつさ』

胸を張って誇らしげに言う白


『え、じゃあこんな所にいていいの?

神様としての仕事とかないの?』

俺は純粋な疑問をぶつけた


(アニメや漫画なら神様は

大体何か仕事をしているイメージがある

死者を導いたり、世界の均衡を保ったり

みたいな、よくあるやつ……

果たして白はしてるのだろうか)


『まあ色々考えてたみたいだけど

零士が考えてる神と僕は少し違うんだ

僕はだからこの世界を

維持していることが仕事なんだよ

他の神はそれぞれの役割があるようにね

それ以外は同じ神というたぐい

ちなみに神には名前が無いんだ

ぼくは名前あるんだけど

その名前嫌いだから白って名乗ってる』


(なるほどね〜まあ仕事してるならいいや

あと白の本名か……気になる

まあ詮索はしないでおこう……

まあ思ったことは)


『白だからサボってるんだと思ってた』

俺は白にふざけつつそう言った


『何!? 僕だって神だぞ!仕事くらいする!

なんでそう思うのさ!』

怒りながらそう言う神様(仮)


『そりゃ俺みたいなやつと居るからさ

だから……大丈夫なのかなーって思って』


『なるほどね〜まあ安心して!

仕事はしっかりとしてるから』


(へー)

俺は真顔で聞いて、軽い返事をした

(まあしてるならいいや)


そう言えばここって異世界だよな

異世界って言ったらやっぱり……


「なあ白」



「ん? 何? 」




「この世界って魔法はあるの?」

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