第81話 尚巴志と源為朝
「
「よいぞ。鬼の妖力は使わないほうが、遊べる時間が増えるからな」
あらわになったその顔は、鬼面に負けず劣らずの
「そっちの方が強そうだな」
「では、戻そうか?」
「いや、すまない。ご
戦場の空気が張り詰めている。
お互いにらみ合いで相手の出方をうかがっていると、沖合に落ちた雷の音で開戦の
「
「
「弱い、弱いぞ! これなら、
「そんなことはわかっているさ。セジを使い放題と言っても、今のワシは扱える
「でわ、もうあきらめて死ぬか?」
「今のワシでは勝てないが、全盛期の力を取り戻せば、何とかなるかもしれないさー」
「全盛期? その
その時、
仲間だから何ともないが、敵視点ではすごいプレッシャーになっているはずだ。
「良かったな。今から見られるぞ」
すさまじい速さで距離を詰めた
反応した
それからは、見たことのないほどのスピードで刀の打ち合いが始まった。
カマドおばーは、軽くため息をついた。
「ハァ。やはり、
「カマドさん。
「そのままの意味じゃよ。寿命、すなわち残りの命を賭けて、全盛期の力を呼び起こす技だ。
今から20年以上前の話。
そんな中、突如現れた、琉球侵略をもくろむ
「何とか全盛期の力を出せる方法はないかと、
「寿命を縮めるしか方法がなかったことを
今まで見たこともないレベルで剣劇が繰り広げられている。
全盛期の強さで、セジを使い放題の
……俺は、あれを超えられるのか? それに、俺たちは、鬼の力を使った
「こんな小さな島に、これほどの者がいたとはな。流石に王を名乗るだけの事はある。しかし、もう限界なのだろ?」
「ふー……気が付かれたか。ここまでやって、傷1つ付けることも叶わないとは思わなかったな。もう時間はなさそう
その様子を見た
「我とここまで戦えた者は初めてだった。敬意を払い、我が得意とする
「受け止めてやる!」
「我は、300人乗った軍船を、一矢で沈めたことがある。お前はそれを受け止めようというのか?」
人間では到底扱えるものではない、
俺はナビーにテレパシーをつないだ。
「あんなの受け止められるわけないぞ! 俺たちは、やられる姿を見ているしかないのか?」
「
俺は直ぐに戦えるように、右手に
そして、
「
「
大地が揺れ始めた時、
すると、城外からセジが込められた1つの琉球石灰岩が、
「
そして、
これは、最初に定めた1対1の戦いではなくなったということだ。
俺は、矢を受け止めている
気が付くと、俺と同じように行動していた、ナビー、
何とか耐えたはずの
「琉美!
「ナビーたちはどうするの!?」
「スキを作って
「すみません
鬼面をかぶった為朝は、
「
「
その横で
……クソッ! 戦わないといけないのか。
その時、後ろで琉美の焦る声が聞こえた。
「どうして白虎!? お願い、走ってよ!」
「わん、わん、わん!」
白虎の吠える声が止まらないので振り返ってみてみると、俺に向かって必死に吠えていた。
俺たちの事を心配しているのだと思い、安心させるために声をかけることにする。
「白虎、早く行ってくれ! 必ず帰るから!」
すると、白虎は乗っていた琉美たちを少々手荒に地面におろし、自らシーサー化を解いてしまった。
そして、面シーサーをくわえて俺の元に走ってきた。
「どうしたんだよ!?」
「わん!」
俺に面シーサーを押し付けてきたので受け取ると、顔を突き出して待っていた。
「俺にセジを
「シバ、急げ!」
ナビーとカマドおばーは
直ぐに面シーサーを白虎にかぶせ、セジを
いつものように、だんだん大きくなっていく白虎。
しかし、いつもの大きさを軽々と超えて、元の世界で琉美が倒した大獅子マジムンくらいの大きなシーサーになった。
「でか過ぎんだろ……」
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