第十八話 ペーパーチェイス3

     二月○日(月) 日直 〇〇             

     ※テスト期間中もイスをあげて帰ること



     僕は一体何ものなのか

     僕は自分の名前を知るより前の自分のことを思う


     毎日何かを思って何かをやっている自分は本当は

     何ものなのだろうか 世界は僕に何をさせたいのか

     誰もがそんなことを思ったりしているのだろうか


     僕には僕に見えているこの世界がとても悲しい

     そんな世界が淡々と過ぎていく毎日がとても辛い

     僕は何ものなのかどうして悲しいのか辛いのか

     誰も教えてくれない


     いままで僕が何ものかなんて考えてもみなかった  

     今の僕は名前だけの記号ような存在でしかない

     そしてこの目に見える世界が真実なのかどうか

     それさえも僕は疑う


     それは僕が見たいものが何一つ見えないからだ

     見たいのは僕が知りたいのはこの世界を生きる意味だ

     いつか僕が何ものなのか知ることができるのだろうか

     僕が何ものなのかそんなことは誰も気にしないだろう

     

     みんな誰もは自分のことを知っているのだろうか

     僕たちがいままで考えてもみなかった自分のことを

     世界は僕たちの生きる意味を知っているのだろうか



                       忘れ物 ➡  (手袋)





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