第57話 ナギ・ナジュアリの痛み 嘆き

「ナギ・ナジュアリから最近になり聞いた 

鞭打たれたり殴られただけでなく暴行をうけたと」


「え、ファリ それは・・」


「ああ、そうだ 複数の者達に長い間 姉や兄もだ!!」


「姿は水の惑星の民そのもの 彼らも美しかったと言う 」


「まだ幼かったから弟や妹は被害には遭わずに済んだ 

それにナギ達が庇ったんだ」


「せめて妹や弟達の前で乱暴しないでくれと頼み

姉たちと共にナギは別の小屋で・・」


「・・初めての夜 ナギの震えが酷く怯えていたから

途中で止めようとしたがナギが続けて欲しいと言った

すぐにわかったよ 始めてじゃない事も 誰かに乱暴された事も」


「俺もエルという妻がいたし 乱暴されたなら 

治安のいい水の惑星の可能性は少ない

選ばれた大事な留学生の一人だ・・俺と同じ・・」


「恐らく、彼奴らが・・儀式前というのも予想してたが

前に助けた生贄にされそうになった娘を助けたが複数に乱暴されたと言ってた」


「まさか 長期間 しかも姉や兄達と共に乱暴されるとは・・可哀そうに」


ファリの言葉にレーヴが蒼白になっている

そうしてファリは話を続けた


「兄や姉が生贄になり 死んだら ナギ・ナジュアリ一人が

彼らを相手にしなくてはいけなかった」


「妹のアファイアや弟のウインダム達を護る為にも」


「ナギは泣きながら俺に許してと言ったが

俺は謝る必要はない ナギは被害者だ 悪いのは奴らだと言って 

俺は口下手だが 優しく出来る限り慰めたつもりだ」


「多分 浚われた母も複数に乱暴されただろうと言ったら

ナギが今度は俺を慰めてくれた

ナギ・ナジュアリは綺麗で賢くて楽器の才だけでなく

とても優しいから」


「俺の妹リリーシュ‥お前の妻は水の惑星の民 そのものの姿

だが、さほど水は必要じゃない


適応したんだ! それに俺達の本来の民の血もあるから


ナギの兄や姉も水の惑星の民の姿だったというが・・恐らく適応して

さほど必要とはしなかったはずだ!」


「ナギ・ナジュアリの場合 姿はほぼ俺達に近い姿だが とても綺麗で

瞳が天空人と同じ美しい青紫の虹彩のある瞳


水の惑星の民の一つ・・古代の天空人の瞳と

手の少し鱗に耳元近くに目立たないエラがあるだけで・・生贄に選ばれた!」


「・・ナギ・ナジュアリの名前の一つは 兄から譲り受けた

兄の名がナジュアリだ」


「本来は一つだけだった ナギは兄の一部となり

その名ナジュアリは亡骸がない兄の墓標でもある」


「ナギは 今でもカウンセリングを受けてる 深い心の傷だから」

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