第20話 敵の追撃

矢が一本 目の前に飛んできた


「ふせろ! その岩陰に隠れろ!」俺は大声をだした


岩陰に 皆 避難する


「レーヴ!この子をたのむ!」

俺はすばやく弟のウインダムを レーヴに渡し

前面に出て 矢を放つ


数矢程 放ち 敵の相手側から 悲鳴があがった

「ぎゃあ!」 「うわあ!」


すると 今度は三人後ろから 奴ら南の村の連中が飛びかかって来た!


「くそお! ガキどもを返せ!

お前! その服! 西の部族の連中だな!」


「はん! それがどうした?

子供らは 俺達がもらい受けた!」


俺は剣を抜き 相手の最初の一撃を受ける!

キイ―ン 剣を打ち鳴らす音が響く


「そっちへ隠れてろ!レーヴ それに二人とも!」


「あ!はい!」と二人を抱えるように連れて レーヴは

岩陰の奥へ・・


「まだ追いかけて来るとは・・執念深いな!」

二人目の相手の剣をかわす


「東の部族に高く売る気か! そいつ等は我々のもんだ!」


「勝手にさらっておいて!よくまあ 言えるな!」

カキーン! キーン!


俺は言葉とともに 相手と何度も剣を交わし 答える

「まずは 一人目!」


接近してきた相手の剣を受け

キーン!


相手の膝頭を思いきり 蹴飛ばす!

「ぎゃあ!」


更に 奴のその腹にもう一度 キックする


倒れたこんだ所で 

剣の平で頭を殴り 気をうしなわせる


ゴイイーン!


「いい音だ!次!」

振り返りながら 後ろにいた傍の敵をまわし蹴りする


「うあああ!」倒れこんだ所を再び

こちらも剣の平で 殴り倒す


三人目が飛びかかって来た!


避けられない!


ゴイイーン!

「ぎゃ!」


落ちていた 敵の奴らの剣の鞘で

今度はレーヴが後ろから 殴り倒した!

「へへへ・・」

レーヴがにまっ・・と笑った


くすっと俺は笑う


「レーヴ 助かった」


「あ!」

黒い人影が前をさっと横切る


「ち!手間をかけさせやがって!」

殴り方が足らなかったのか 先程の敵の一人が起き上がり

レーヴをすばやく 羽交い絞めにした


「うあああ!」レーヴが悲鳴をあげる


「レーヴを離せ!」


「離せるかよ! こいつ!天空人そのままの姿じゃないか!」

「東の部族に連れてゆくのさ!

極上の生贄じゃないか! 来年の分まで 水をもらえる・・。」

奴は笑う


「子供らは見逃してもいいぞ」


「・・・」


「まずは お前の剣を渡せ・・ゆつくりとだ・・

変な事は考えるなよ・・。」


「レーヴ・・」

レーヴは黙って こっちを見てる 素直なまっすぐとした瞳

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