第12話 水の神への生贄2

族長は 重い口を開く

「我が部族には 天空人の姿をした子孫が特に多く

奴等は 我が部族を何度も襲ってきた


12年前にファリの祖父は 襲ってきた奴等

天空人と同じ姿をしたファリの祖母を守ろうとして奴等に・・・


天空人の姿ではなく 

我等部族の見目の良い者数人もさらわれた


その中には見目の麗しかったファリ達の母親もいて 

あいにく間に合わず 助ける事が出来なかった」


「・・・子供だった俺の目の前で 俺の母は攫われた

連れ去られ

泣き叫んだ母の姿は忘れられない」俺は呟いた


「・・ファリ」レーヴ


「伝承は全部族には伝えられていたものの 


長い年月の果てに・・

中にはゆがめられて伝え聞いた者達も多い」


「交渉は?無理なのでしょうか?」


「歪んだ伝説で 凝り固まり 生贄を捧げてきた連中だ

代わりの生贄でも 差し出さない限り 難しい話だ」

親父殿が今度は口を挟む


その答えに レーヴ達の父親をはじめ

天空人・・異星人は沈黙する


「我等に まかせて欲しい

貴方方には 深い恩義がある 生きてるならば

必ず助け出すから・・」


伯父である族長は 彼らにそう告げた

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