第2話 砂漠の海に住む砂魚

それは

砂漠の砂の海の中に潜ってくらす 小さな砂魚サマク


砂の海の中に 時折混じっている 砂金で出来た砂場

アウルムの中に住む 砂魚サマク


その中を泳ぎ 時折 地上に顔を出したり 飛び跳ねる。


俺は ゴーグルとヘルメットを被り 小さな空気のタンクを背中に背負う

片方の手には槍

そしてもう片方の手には 開きかけた半開きにした傘(かさ)の形に似た機械フングス

横型で 先がとがり 後ろは傘の形のように広がっている。


前部分に薄くした水晶を埋め込み あたりが見えるようになっている 

下部分には 砂漠によく湧いている黒いコールタールを燃料にした


ジェットエンジンがついて

頭から被り 上身はそれから中心の柄の部分を握り スイッチを押して

砂の海の中を潜り 砂魚サマクを追いかける


槍(やり)で突き 砂魚を採る

あまり深く潜ると 機械が故障した場合 砂から出られないなどという

危険な事態になる・・

 

浅く潜り 深く潜りすぎないように注意しながら

砂魚サマクを次々に採る

「今日は大漁だな・・」嬉しそうに 少年ファリは笑う


魚篭に砂魚サマクを次々に 入れて

にんまり・・と笑う


「大漁じゃないか!」近くに住む 別部族の男

ニヤニヤと笑い 少年の魚篭に手をかける


少年ファリは サッと魚篭を握る男の手の先に 槍の剣先を

突きける


「最近は 砂魚サマクは 高値で市場で売り買いされてるからな

注意しないと・・な」


俺は 男をやぶ睨みしながら 槍先を突きつけて 呟いた

「そんなに 睨むなよ チッ」


舌打ちするなり 男は悔しげに

立ち去る。

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