赤い砂漠の惑星と水豊かなる惑星
のの(まゆたん@病持ちで返信等おくれます
第1話 伝承
「溢れる水の豊かな天空の星の住人
善き者達 心優しい美しき民人ら
我等に水の塔を与えたもう・・甘き水を与えたもう」
俺達の惑星には 伝説として謡われる幾つかの子守歌がある
「砂嵐が 我等の泉を奪い去った後さえも
地下の水の塔は枯れる事なく
水音を奏でながら 恵みを与える
善き者 天空の星の住人は 星の箱舟で
天空から訪れた
砂嵐の魔人たちに追われ この地を去る
だが・・いつか 再び
水の恵みと 失われし緑の大地を与えると約束したまう
我等は 待ちつづける・・
砂嵐の魔人のくびきから逃れる日の事を夢見て
水と緑の恵みの楽園が蘇る日を」
そこは 俺の故郷 惑星ヴァンダルとは違う星だった
赤き砂漠の荒涼とした惑星ヴァンダル
水の豊かなる惑星・・フォルトーナ
伝説に謡われた水の惑星
今 俺 ファリは
伝説の地 水の豊かなるフォルトーナにいる
ゆるやかに 都市の中に張り巡らされた水路を小船がゆく
更には 淡いオレンジ色のレンガで組まれた橋の中にも 水が引かれていた
大きな水道 その中にも小船がゆき それぞれ白い大きな建物と繋がっていた
都市部の乗り物やら移動には 空中を飛ぶ小さな船と
おもには 水路を使う小船が使われていた
水路の水は清らかで 透明 小魚が泳いでたり
あの鳥・・水鳥が 小船の間をゆるやかに泳いでいる
花の咲く木々の合間からは 光がこぼれている
小鳥たち・・小鳥という可愛らしい生き物達が
楽しげに謡い 鳴き さざめいている
小船のゆく水音をつま弾き 奏でている
青い空のもと 柔らかな風がそよいでいる
水の塔から 漏れ出る水が 地下を通り 離れた場所にいる者たちの
命をつなぐ
古代の地下の都市の跡には 水が溢れていたが
そこには 巨大な生き物がいて 人を食らうので
大量の水を求め その水を汲みに行く者達は いつも命がけだ
天空の住人の贈り物
古代の天空の住人の魔法・・いや・・科学技術とかやらで
空気から水を造りだす装置が 地下都市の中心部分にあり
都市の中央に設置された 巨大な高台
塔から水が溢れ 滝のように流れてゆく
都市は半ば 水没していたが
その水の恵みは 人や生き物達の多くの命を支えた・・。
他にも水を得る方法は幾つかあったが
やはり そこが一番多くの水を得られたのだ
その水の塔から流れ出た 漏れでた地下からの支流の先には
砂漠にはえる植物が その水にすがるように茂る
棘(とげ)がないサボテンのサツバール
岩にはりつく苔(こけ)のようなトリブル・・
それら植物の実が 水分を含み
その実の果汁で
俺達 人間や生き物達が 水分を補う事もあった。
畑や家畜を営むものには
水は重要で 家畜には 水分を多く含んだ
サツバール(サボテンのようなもの)に
トリブル(コケ)を食べさせる事も可能だったが
やはり水はかかせない
地下都市遺跡の中の塔の水
その場所に近ければ近いほど 支流からの水量も多く
当然地下都市遺跡とそれらの周辺の場所の取り合いで
部族の間の戦いは長く続き
血みどろの争いや厳しい砂漠の生活の中でも
人々は たくましく暮らしていたのだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます