ハッピーハロウィン！

声劇台本

《諸注意》

※ツイキャス等で声劇で演じる場合、連絡は要りません。

※金銭が発生する場合は必ず連絡をお願いします。

※作者名【夏艸（なつくさ）春賀（はるか）】とタイトルとURLの記載をお願いします。

※録画･公開OK、無断転載を禁止。

※雰囲気を壊さない程度のアドリブ可能。

※所要時間約10分。女性三人の、声劇台本です。

《役紹介》

茅場 八重(チバ ヤエ)

見た目は30代

口が悪い

半妖(吸血鬼)

美人系、一人称『俺』

木ノ下 美咲(キノシタ ミサキ)

見た目は20代後半〜30代前半

姦（かしま）しい

人妻、娘が二人いる

可愛い系、一人称『私』

多摩緒 夕姫(タマオ ユウキ)

見た目は30代前半

色っぽい

語尾伸ばし気味

半妖(人魚)

綺麗系、一人称『アタシ』

《配役表》

八重(女)：

美咲(女)：

夕姫(女)：

↓以下本編↓

────────────────────

美咲

「ハッピーハーロウィーン！！」

八重

「……」

美咲

「ちょ、待って、待って！　無言で扉閉めないで！？　せめてなんか言って！」

八重

「……元気やな」

美咲

「まぁねん、それだけが取り柄…って、こらー！　閉めるな！」

八重

「あんだよ、こんな朝早くっからよぉ」

美咲

「え、この時間でも早い？」

八重

「おう。まだ陽が高ぇだろ。つーわけでおやすみ」

美咲

「いや、いやいや！　少しだけ、少しだけだから！　先っちょだけぇ！」

八重

「去（い）ねや！」

美咲

「きゃいん！」

【間】

《八重宅、室内》

美咲

「先程は本当に申し訳ありませんでした」

八重

「あー……それはいいんだが、子供は？　旦那は？」

美咲

「それがね、今日は遊んで来いって追い出されたの。なんでかな？」

八重

「知らんがな」

美咲

「ま、遊んで来いって言われたらここに来るしかないよね、と思いまして。そんで、本日はなんと、10月31日！　ハロウィンじゃないか、と思いましてね？」

八重

「おん。まぁそれはさっき聞いたわ」

美咲

「……ふんす！」

八重

「いや、意味分からん」(笑いながら)

夕姫

「ピーンポーン！」(敢えて扉を叩きながら口で言う。)

美咲

「ん？」

夕姫

「ピンポンピンポーン！」(扉叩く音が少し大きくなる。)

八重

「……あー。今行くって。よっこらしょっと」

夕姫

「ピンポンピンポンピンポンピンポーーーーン！！！」(めっちゃうるさく。)

八重

「っるっせぇ！！」

夕姫

「ぁあん、八重（やえ）ちゃんの罵声（ばせい）が心地良いわァ！！！」(扉開けられた瞬間に抱き着く。)

八重

「ぐえ」

美咲

「！！！」

夕姫

「ねぇん、八重（やえ）ちゃん？　アタシと一緒に街にお出掛けしなぁい？」

八重

「断る。つーか離せ、近ぇっつの、いちいち」

夕姫

「やだぁ、照れちゃってぇ」

八重

「いや、別に」

夕姫

「あん、いけずぅ。でもそこがスキ」(頬にキス)

美咲

「ちょ、ちょっと！！！」

夕姫

「あら、あらぁま、みぃちゃん！　いたのねぇ」

美咲

「気づいてたよね、絶対分かっててやってるよね、ね？」

夕姫

「やぁだぁ、アタシ分かんなぁい。ねぇ八重（やえ）ちゃん。こんな小娘より、アタシと遊んでぇ？」

八重

「うん、まあ、とりあえず離せ、な？」

夕姫

「い・や・よ♡」

八重

「うぜェ」(引き剥がす)

夕姫

「ぁあん！」

美咲

「夕姫（ゆうき）……何しに来たの」

夕姫

「遊びに来たのよぉ？　見て分からないかしらぁ？……それはそうと、八重（やえ）ちゃんアナタ、痛くないの？」

八重

「……っ」

美咲

「へ？」

夕姫

「みぃちゃん、気付かなかったのぉ？　八重（やえ）ちゃんってば、むぐ」

八重

「黙れ」(手のひらで口塞ぎ。)

美咲

「え、え？　なに、なんか……え、怪我してんの？」

八重

「いや……別に」

美咲

「……八重（やえ）？」

八重

「してねぇよ。大丈夫」

美咲

「えー？　ほんとにー？」

夕姫

「ヨノンテシマヘニナ」(※)

八重

「……ノテッダケダタッマチシンダユリカッウ…」(※)

夕姫

「ンもう……ヨメダチャクナシジクショ二キテキイテ？」(※)

美咲

「え、何？　何語で喋ってるの、ねえ」

夕姫

「ンふふ、ひ・み・つ♡」

美咲

「え、ムカつく！」

八重

「あーもー、うっせーな！とりあえず入れ」

《再び八重宅、室内》

八重

「んで？　二人はマジで何しに来たんだよ」

夕姫

「遊びに来たのよぉ」(美咲とほぼ同時に)

美咲

「遊びに来たんじゃない」(夕姫とほぼ同時に)

八重

「ほーん、仲良しだな。二人でどうぞ」

美咲

「だから！　追い出そうとしないでって！」

夕姫

「ぁあん！　心地良いあしらい方（かた）！　たまらないわぁ！」

美咲

「こんなおっぱいオバケと一緒にしないで！」

夕姫

「やぁね、羨ましいからって褒めないでくれますぅ？」

美咲

「褒めてない！　ちくしょー、人外め……」

夕姫

「そうそ、今日はハロウィンでしょ？　ちょっとオシャレしてお出掛けしましょ？」

八重

「何の前触れもなく話変えやがった」

夕姫

「衣装なら用意したわぁ。４着も見繕（みつくろ）うの、大変だったのよぉ？」

美咲

「４着？」

夕姫

「アタシとぉ、八重（やえ）ちゃんとぉ、みぃちゃんとぉ、すーちゃんの分」

八重

「しっかりしてんなおい」

美咲

「え、え、私もいいの？！」

夕姫

「アタシ、女友達いないのよぉ」

八重

「俺ら女じゃねぇのか」

美咲

「どうせぺちゃんこですよ……」

八重

「いや、そこじゃねーわ」

夕姫

「みんなでハロウィンパーティー、しましょ？　ほらぁ、すーちゃん呼んで？」

美咲

「今日は仕事だってー。さっき聞いた」

夕姫

「イベント時にオシゴトぉ？　じゃー、仕方ないわね」

八重

「……ふぁ〜、あー……」

夕姫

「八重（やえ）ちゃんは吸血鬼ねぇ？」

八重

「あ？　お、おう……まんまじゃねーか」

夕姫

「ンふふ。みぃちゃんはコレ」

美咲

「……は？　カボチャ？」

夕姫

「ジャック・オー・ランタンよぉ」

美咲

「ちょ、前見えなくない？」

夕姫

「大丈夫よぉ、この、口の所の隙間から見えるわよぉ」

美咲

「ほーん。まぁいっか。夕姫（ゆうき）は？」

夕姫

「アタシはぁ、人魚よ」

美咲

「……まんま？」

夕姫

「誰も本物だなんて思わないわよぉ。さ、着替えて出掛けましょ！」

《衣装変え、街中》

八重

「あ"ー、人多すぎ案件……」

夕姫

「ンっふふふ！　吸血鬼もオバケもいっぱいで楽しいわぁ！」

美咲

「ちょっと夕姫（ゆうき）！　なんなの、前見えなすぎ！……あ、すみません」

八重

「大丈夫か？」

美咲

「八重（やえ）〜、やだ、優しいー」

夕姫

「ジャック・オー・ランタンをエスコートする吸血鬼……」

美咲

「にしても、寒くないの？」

夕姫

「ん〜？　アタシぃ？」

美咲

「そう。人魚のまんまなんだもん、さすがに露出しすぎじゃない？」

夕姫

「大丈夫よぉ？　もしもの事があったら八重（やえ）ちゃんに抱っこして貰うの」

八重

「恐ろしい事に、決定事項になっちまってるらしい」

美咲

「あはは、頑張れ」

夕姫

「さー、騒ぐわよぉ！　遊ぶわよぉ！　お菓子強奪よぉ！！」

美咲

「それが目的か！　ちょ、待ちなさいって、お店の物はダメだって！！」

八重

「……あー、帰りてぇ」

終わり

※『何ヘマしてンのよ』

※『……うっかり油断しちまっただけだっての…』

※『ンもう……定期的に食餌（しょくじ）しなくちゃダメよ？』