第18話
次の日を迎えた。ヴィステは気持ちを切り替え、今度は拳銃を焦点に当ててベロニカ近辺にうろついている不良少年達に話を聞いて回った。とびきりの美人という見た目の力もそうだが、それ以上に、ワルオが手を回してくれたようで、割と素直に協力してくれた。しかし、その3種類の拳銃の噂こそ知っている者は多かったが、それで人を撃った、という噂を聞いたという話は出てこなかった。
「刑事じゃないけど、1日、2日、ちょっと目撃情報を探してみるか・・・」
ヴィステは犯人の目撃情報を求め、新世界にある店の店員や客に話を聞いて回った。しかし、これといった有力な情報は得られず、ただ時間だけが過ぎていき、ツバキ市の北部、つまり、ヴァルメシア大陸北部沿岸に位置するメルジェーナ港近くにあるアルメリア地区にも行って、事件に関与してそうな人物の噂等を探り、そして、2日が経った。
「拳銃の情報はこれといって無し、不審人物の目撃情報も無し。3年も経ってると、やっぱり厳しいよな・・・」
地区の路地裏で立ち止まって、空を見上げる。霧の中に立っている気分だが、空は晴れ晴れとした陽気だ。流れてくる風には、ほのかに磯の香りが乗っている。両手を腰に当て、深い溜め息をつくヴィステ。周囲には古い建物もあれば、真新しい建物もたくさん建ち並んでいる。そこは、もう、かつての荒れた地区ではなかった。
“もう、事件とは無縁って感じだもんな・・・”
路地裏で遊んでいる子供達を見て頬を緩めるヴィステ。4年前まではボロ雑巾のような服を着た子供達が道路の端に座って物乞いをしていたらしいが、もうそんな子供は一人もいない。現大統領のデビッドによって社会保障制度改革が行われたことで、国の援助を受けられて普通の暮らしを送っている。少なくとも、3年前の事件には無縁な場所の気がする。
「気分転換に、ちょっと神社にでも行ってくるか。」
ヴィステのここから少し離れた場所にある神社に向かった。そこは気高い丘の上建てられており、300年前までは小さな村があった場所だ。そして、5分ほど車を走らせて境内の近くにある駐車場に到着した。
「さて、あの上だっけか?」
ヴィステは本堂へ続く長い階段を上っていき、降りてくる参拝客とすれ違いつつ上まで登りきると、視界に厳かな雰囲気が漂う広い太い木々がちらほら生えている境内と奥にある本堂の姿が入ってきた。境内の入口の両脇には招き猫の石像が建てられており、その先には石灯籠で囲まれた横幅5メートルほどの石畳の道が続いている。と、その時だった。
“これは・・・、大破壊が起きる前の光景か。”
ヴィステの目に不思議な光景が映し出された。それは、藁と何かの木の皮で作ったような屋根と土壁で作った家がまばらに建っているどこかのどかな場所で、幼い子供達が無邪気に追いかけっこ遊びをしているものだ。夕焼け空の下、楽しそうな幼い笑い声が聞こえてくる。近くには母親らしき女性の姿もあり、そのどこか温かい光景を前にヴィステはなぜか寂しさを感じながら、ただじっと立ち尽くして見入っていた。
「さて、本堂に行くか。」
境内にもちらほらと参拝客の姿があり、周りを確認しながら歩を進めるヴィステ。よく見ると、通路の両脇の少し先の敷地は墓地になっているようで、多くの墓が綺麗に並んでいる。全国各地にある教会とは明らかに違うその雰囲気に不思議な感覚を覚える。ただ、この神社もミミ教会が管理しているものだ。
「大和人がもたらした文化か・・・」
ヴィステは本堂の10メートルほど手前にある高さ1メートルほどの石碑の脇を通っていき、本堂のすぐ手前にある釣り鐘の前で足止めた。鐘の手前には長い綱が垂れ下がっており、鐘を鳴らせるように一部が結ばれて丸い塊のような状態になっている。ヴィステは綱を掴んで軽く手前に引き、少し勢いをつけて押した。
“ゴワァ~ン・・・”
丸い塊が鐘に上手い具合にぶつかって大きな音が周囲に響き渡った。周囲にいる参拝客もその音につられてヴィステの方を振り向いた。割と鳴らすのが難しいので、注目を浴びてしまったようだ。そんなヴィステは本堂の目の前まで辿りついたところで再び足を止めた。本堂の扉は開いており、中には高さ6メートルほどの大きな招き猫が置かれている。そして、本堂の入り口の近くには賽銭箱が設置されている。
“この国は、良いご縁(115セル)、とか、そんな風習はあるのか?”
ミミ教会に関してはそこまで詳しく調べていないので風習といったものは分からないが、財布の中の小銭を確認して78セルしかなかったので、少し渋い表情をしつつ、1ルカ札を折って賽銭箱にヒョイッと投げ入れた。
“1ルカで事件解決の糸口が見つかれば良いんだが・・・”
自分が投じた銭が少ないような気がするヴィステ。1ルカで神が何をしてくれるのだろうか。じっと招き猫を見つめる。人の想いは神に届くのだろうか。大勢の人の想いは、命の想いは大きな力を、奇跡をもたらすのだろうか。ただ、少なくとも、この賽銭箱は夜な夜な住み込みの神父が回収しており、何かしらに使われる事になるのは確かだ。ここの維持費に充てられるのか、市民の為に使われるのか、はたまた神父の飲み代となるのか、それは上のみぞ知るところだろう。
「それじゃ、戻るか。」
ヴィステは本堂に背を向けて来た道を歩き始めた。と、その時だった。再び彼女の目に不思議な光景が映し出された。しかし、それは明らかに先ほどとは異なっていた。
“これは・・・、大破壊直後か・・・”
小雨が降る中、そこには、倒壊した先程見たものに似た家々と、その前の通りに倒れ伏す人々の姿があった。首や腕、足らしき肉片があちらこちらに散乱しており、木々には大量の血や臓物が付着している。
“あれは・・・”
ヴィステの視界の先には、血だまりがところどころにある道の真ん中で立っている1人の人物の後ろ姿があった。その誰かは、長い白髪をアップスタイルにまとめ、時代にそぐわない現代風のカジュアルな恰好をしており、ただ俯き、拳を握りしめ、その場に立ち尽くしているといった雰囲気だ。ところどころ髪型が崩れているのが分かる。そして、その人物の面前には、腕と足を失ってぐったりと仰向けで倒れている子供の姿があり、両目に傷を負ってしまったのか、その子は口や鼻からだけじゃなく血涙をも流している。その凄惨な光景に目を細めて立ち尽くすヴィステ。木々の位置から、平穏な境内がいきなり地獄に変わってしまったのかと錯覚してしまいそうだ。ところどころに差し込んでいる明るい陽射しがあるせいで、より一層の残酷さを感じてしまう。
“ユリコ・・・”
ヴィステには不思議とその人物が泣いているように思えた。そして、数秒が経って、見えていた地獄の様な光景は消え去り、白髪の人物がいた場所には大きな石が置いてある。石碑のようで、境内の入り口に背を向けた形で建てられているようだ。ヴィステはその石碑に歩み寄った。
――Deal est harmely――
300年くらい前まで使われていた旧アトランティコ語らしき言葉が刻まれている。大勢の大和人が移住してきた関係で、彼らの母国語で、尚且つ、古代からこの星でも共用語とし使われていた大和語とエゲレス語が主流となり、旧アトランティコ語は廃れたとされている。
“それは300年前に天使様の協力を得て、当時の生き残った人達が作ったと言われている慰霊碑ですよ。”
背後から男の声が聞こえてきたので振り返ると、見慣れない服装(着物)のドレッドヘアーの中年黒人男性が歩み寄ってきた。サングラスを装着して竹ぼうきをギター風に構えている。どうやら、彼がここの神主のようだ。
「この文字は、“安らかに眠りなさい”という意味でしたっけ?」
「そうです。よくご存じですね。」
「本で少々学んだもので。確か、これと似たようなものが世界中にあるんでしたっけ?」
「そうですね。何でも、世界中に6000ヵ所以上あるらしいです。ただ、ルーンブルクとか、一部の国には無いようですね。」
「それって、悪魔達による被害がほとんど無かった地域ですか?」
「そうです。よくご存じですね。」
ヴィステは虎之介から大破壊についての詳細をある程度聞いており、それによると、死者数は1億2011万3247人で、世界中のあちこちで地獄絵図が広がっていたようだ。ただ、出現した悪魔の数が1027万379体だったとの話もあるので、それを考えると、言い方は悪いが、よく世界人口のおよそ4割の死者数で済んだ、とも言える。
「夜中に襲われた地域は特に酷かったようです。」
「そうらしいですね・・・」
その話もヴィステは虎之介からある程度聞かされている。この世界はダイマの力によって、基本的に昼間しか悪魔が出現する事はない。それは、およそ1400年前から続いているルールだ。ところが、大破壊の時は、邪気を転送するシステムに異常が生じて、一気に膨大な量の邪気を転送してしまい、穢れ雲の容量限界を超えて昼夜関係なく、世界中に悪魔達を出現させてしまったのだ。
「寝込みを襲われては、流石にどうしようもなかったのでしょうね。悪魔は昼に出現する、というのは、当時の人達にとっても常識でしたでしょうし。」
「そうですね。ただ、犠牲者が多すぎて、この場所もそうですけど、いくつかのブロックに分けて、まとめて遺体を処置したようです。」
慰霊碑が6000ヵ所しかないのは、そうしなければならない理由があったからだ。それは疫病対策だ。犠牲者が1億人以上にも上ったので、そんな数をまともに処置していたら遺体はとっくに腐敗して病原菌の素となってしまう。だから、まとめて焼却処分するしかなかったのだろう。
「これも言い伝えなんですが、2人の火の天使が不思議な力で遺体を転送させて、邪気に汚染されたその遺体を次々に聖なる炎で跡形もなく浄化させたそうです。」
「2人の天使か・・・。一説によると、冥界の王も協力したそうですね。」
「あぁ、確かに、そういう言い伝えもありますね。ただ、冥府の王だと、色々と不謹慎だ、って事で、ほとんどの説で除外されているみたいですけど。」
神父の言葉に苦笑するヴィステ。彼の言う、その2人とは、天使フレイドと自称情熱の女神ことエスカなのだが、フレイドに関しては、古代の文献にも火の天使として情報が残されている。ただ、正確な事を知る人間はいない。なにせ300年以上も前の話で、状況もひどくてほとんど文献は残されていないのだから。
「それでは、私はこれで・・・」
神主はヴィステに一礼をして本堂へ向かっていき、ヴィステは慰霊碑の前で両手を合わせて冥福を祈ると、改めて出口に向かって歩み始めた。そして、階段の手前でヴィステはふと後ろを振り返って本堂の招き猫を見つめた。賽銭箱の前には参拝客の老夫婦がいる。あの招き猫はこれまでどれほどの人達と出会い、どれほどの後ろ姿を見つめてきたのだろうか。そんな風な思いを抱いて少し寂しく思えた。
「よし、行くか。」
ヴィステは視界の遠く先にそびえ立つ高い山々と、その中心的な存在であるミンミン山を見つめながら階段を降りていった。そして、駐車場に辿り着くと、颯爽と車を走らせた。
「海でも眺めながら、考えてみるか。」
ヴィステは海岸沿いにある駐車場に車を停めて、近くの砂浜を歩きながら海を眺めた。吹きかける優しい風が黒い髪をなびかせる。打ち寄せる穏やかな波の飛沫は、黄色というよりかは、太陽の光に照らされてキラキラと黄金に輝いている。砂浜を歩く若い男女の姿もあれば、波乗りを楽しむサーファーの姿もある。
「こっちに来たマーサ人が一番驚いてたのが、海の色なんだっけか?」
惑星マーサは地球とそっくりなので、その海の色も青い。300年前から150年前にかけてこの国に来た大和人もそうだが、マーサ人はみなこの海の色を見て驚いたそうだ。
「300年経ったとは言え、人間ってのは、何度でも立ち上がる生き物だな。」
沖を行く船を見つめながら、人間、というよりも、生物の逞しさをしみじみ実感する。300年前の惨劇など、ヴィーナ人にとっては、もはや過去の歴史に過ぎないのかもしれない。そんな事をしばらく考えた後、ヴィステは事件について思考を巡らせた。密造銃を手に入れて犯行に及んだのは、一体どこの誰なのか。
「そもそも、3種類の拳銃のどれかを所持してたってのもな・・・、どれか・・・」
何か違和感を覚える。そう言えば、なぜ、あの人物はあんな事を言ったのだろうか。もしも、その人物が実行犯ならば、3年前のあの言葉が何を意味していたのかも分かる。ただ、その人物についてはアリバイが成立している。
ヴィステは急いで車に戻り、ショルダーホンでベロニカ警察署に電話をして、モウリーニョにある事を確認した。すると、思っていた通り、その事実は捜査に支障が出る恐れがあるとの理由で公表していないはず、とのこと。
『何か掴めたんですか?』
「えぇ、1人、怪しいのがいるんですけど、アリバイがあるんですよね・・・」
ヴィステはその人物名と依頼人との関係、そして、被害者が残した言葉が何を意味していたのかをモウリーニョに伝えた上で、現状で逮捕までいけるかどうか尋ねた。しかし、流石にアリバイがあり、尚且つ推測の域でしかないので逮捕状を裁判所に請求しても却下されるのがオチだとのこと。
『任意で引っ張って口を割らすしか・・・、ただ、アリバイもありますし、何より、動機が分からない事には・・・』
「動機か・・・」
怪しい人物と言えども、むやみやたらに任意同行を求めるわけにもいかないようだ。すると、ヴィステはその人物の聴き取りを行ったという刑事に話を聞けないか尋ねた。だが、モウリーニョは、それは無理だ、と答えた。
『聴き取りを行ったのは富岡という名前の刑事なんですけど・・・』
「その刑事がどうかしたのですか?」
『いや、それが、もう辞めているんですよ。』
「辞めてる?」
『えぇ。一応、依願退職だったんですけど・・・』
モウリーニョが言うには、その富岡という刑事は3年前の事件のすぐ後に、麻薬の横流しの疑いが掛けられ、それがきっかけで警察官を辞めてしまったらしい。モウリーニョの脳裏に、高卒で警察官になって5年目で刑事になった、と少し自慢げに話している様子が思い浮かんだ。
『横流しの件は、結局これといった証拠が出なくてうやむやになったんですけど、本人としては警察組織に対する不信感もあったでしょうし・・・』
「その元刑事の連絡先は分かりませんか?」
『それが、この件で私もちょっと話が聞きたくて彼の家に電話をしたんですが・・・』
電話は通じなかった。それで少し気になったので、親族を調べて電話をして彼の居場所を調べようとしたのだが、彼の故郷で暮らす母親が言うには、行方不明で音信不通になっているらしい。
「その刑事には奥さんとか子供はいなかったのですか?」
『いえ、彼は独身だったので・・・』
モウリーニョが言うには、その富岡という刑事は自分と同じ30歳になるはずの、そこそこの若手だった警察官で、モウリーニョがベロニカ警察署に転属されてから辞めた時まで、これといった女性の話は出てこなかったようだ。せいぜい飲み屋のホステスに入れ込んでいた、といった噂程度だった。
『私生活については何とも言えませんが、少なくとも、私と同じ特隊にも所属していた腕の立つ警察官でしたよ。』
モウリーニョが高校3年生だった時に剣術部の全国大会に出場したのだが、その個人戦の2回戦で富岡とぶつかった事があったようだ。そして、警察官になった後も、社会人の大会でそこそこの成績を収めていたらしい。
『剣の腕がそこそこ立つか・・・。その彼から、何か泥っぽい匂いとかしませんでしたか?』
「いやぁ・・・、そんな匂いなんてしてなかったと思うんですけど・・・」
モウリーニョの話に苦い表情となるヴィステ。てっきり、その刑事の正体が泥人間だと思ったのだが違うようだ。ただ、音信不通なのでその可能性は否定しきれない。匂いを消す何かしらの事をしていたのかもしれない。もしもそうだとしたら、結構長い間刑事として何食わぬ顔で仕事をしていたという事だ。誰も気付かなかったのならば、警察のメンツが丸つぶれだが、流石に霊的な能力が高い人間ばかりの警察でそれは考えづらいか。
「海外に逃亡した可能性の方が高いか・・・」
『まぁ、その可能性はありますね。けど、もし、富岡が、あの事件に何らかの関わりを持っていたとしたら、あの捜査資料の情報は・・・』
「偽装工作の可能性がありますよね。」
可能性を否定できない状況なので困惑の色を隠し切れないモウリーニョ。もしそうなら、とんでもない事だ。同い年ということもあって、自分が刑事としてベロニカ署に配属された時からそこそこ仲も良かったのだが。
「もしかしたら、口封じに殺されている可能性もあります。その彼の自宅か、住んでいたとこの床下とかを捜索した方が良い。川かどこかに捨てられている可能性もあるけど。」
『マジですか・・・』
最悪の展開となる可能性が出てきたが、とりあえず、モウリーニョは上司に3年前の事件の被疑者について改めて掛け合ってみるらしいので、ヴィステは引き続き真相を追う事にした。
「繋がってきてはいる。後は、そいつの動機だ。それさえ証明できれば、実行犯は確定する!」
ジョージが残した言葉の意味も推測通りで間違いないだろう。そう確信したヴィステは意気揚々と再びフィオナが住むマンションに向かい、そこら近辺で聞き込み調査をする事にした。しかし、3年近く前の事なので誰もその人物を見かけたという者はおらず、フィオナ自身にも尋ねてみたが見た事はないらしい。むしろ、その人物の名前を聞いて驚いていた。
「やっぱり思い過ごしなのか・・・」
フィオナから聞いた怪しい人物と背丈は近いが、明らかに体形が違う。せっかくアリバイが崩せそうなのに、完全に暗礁に乗り上げてしまった感が否めないヴィステ。そもそも、この程度の聞き込み調査で犯人が分かるのならば、警察がとっくに辿り着いて逮捕していただろう。いくら短期間だったとは言え、相応の人数で聞き込み調査をしていたのだから。
「いや、富岡がグルなら妨害も一応、可能か・・・」
しかし、その富岡も音信不通の状態。生きているのかすら分からない。変に悪魔が絡んでいるものだから、誰が本当の事を言って、誰が嘘をついているかが分からない。1人1人の心や記憶を読むことは可能だが、今のヴィステでは、対象の協力なくしてそれは出来ない。
「そう言えば、マンションを出ていった、とかいう女に話を聞いてなかったな・・・」
ヴィステは16時過ぎにダイマに連絡を入れ、フィオナが住む部屋の隣に住んでいた人物と、その人物が今どこにいるのか調べてもらった。流石はアクマ商会の会長だけあって、その30分後にその女性がサクラ都アオバ区に住んでいるという事実を掴んでくれた。裏で公務員やアクマ商会の社員らが必死になって調べている様子を思い浮かべると、本当に感謝したい気持ちになる。
『犯人は掴めそうですか?』
「う~ん、微妙。もう少しで解決できるとは思うんだけど、どうにも上手くいかない。」
『・・・そうですか。とにかく、事件の解決の方、よろしくお願いします。』
「あぁ、分かった。終わったら、そっちに報告しに行くよ。」
ヴィステは電話を切ると、さっそくその女性が住む家に電話を入れ、明日の午前中に訪問する事を約束した。
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