【御礼+雑談】

 こんにちは、作者の納人のうと 拓也たくやです。

 まず十作品の選考が終わり、一先ず、第一回目のレビューは終了となりました。改めまして企画参加してくださった皆様、ありがとうございました。辛口気味な批評が多くなりましたが、それでも温かいコメントをくださった作者の皆さまにも再度お礼申し上げます。


 ここからは今回は自分がレビューした上で、批評を書きつつ自身の作品に巨大なブーメランを刺しながらも考え続けている『小説を書く上での難しさ』というのをちょこちょこ書いて行こうと思います。


 正直見ても見なくても何の参考にもならない話というか、御礼ついでに自分の思った事、「小説家になるには……」を真面目に考えて、つらつらと書くだけのメモみたいなもんです。暇のある方は時間潰し程度にどうぞ。






【文体について】


 結構色んな作品に辛口で突っ込んだ「文体」という言葉、あんまり一般的じゃなくなったのかもしれないなぁと思い、説明がてら思い出話として書いて行こうと思います。聞き馴染みのない人に簡単に言えば「小説の文章スタイル」の事です。


 近年、というよりはおよそ十五年ほど前をきっかけに。そして近年、四、五年前ほどから文芸作品でもライトな作品が数多く出回り始めました。始めに書きますが、その事が悪い事ではなく、若年層でも文芸に触れて貰おうと色んな出版社や賞を受賞させる委員会のようなところが色々と頑張ってた時代があった……というのは念頭に置いて頂ければなと思います。


 そこで作者の文章スタイル――『文体』という物には様々なパターンが生まれ、近年最も文芸作品でも一般的となったのが『三人称一視点』の作品です。一人称視点のちょっと難しい版みたいな感じです。商業を読んでるとお気づきの人は多いかもしれません。心理描写の説明を柔らかく、なおかつ背景描写はきっちり締められるところがメリットですね。


 そしてWEB小説も当然色んな作品の影響を受けて、数多くの作品が生まれています。


 なので、ハッキリ言って山〇〇介先生みたいな「小説を全然読んだ事がないけど本を書いて売れた」なんておいしい話は転がってません。(山〇先生は自費出版をやって売れたので、書いたら売れたというのも違うんでしょうけどね)出版社には新しいことをする元気がないからです。特にアマチュアであればあるほど、難しい挑戦になっていくのは必然でしょう。


 最近は「自費出版の方が速いんじゃないの?」という話もあります。アマゾンならタダですしね(マーケティングの壁がありますし、税金とかそこら辺の問題あるので、お金の方はたぶん手順を踏まないと日本の印税より稼げませんけどね)


 昔はライトノベル自体が珍しい事もありましたが、今はもう一冊出た後は打ち切り――どんなに人気があっても盛り返せなければ打ち切り――正直に言えば作家には厳しい時代です。ライトノベル自体が洗練されていったのもありますし、漫画作品の方が売り上げが圧倒的なのもありますし、ビッグネームの人の作品の方が売れる速度が速いからなのもあるでしょう。(全部予測ですがね)「あの有名な〇〇の作家、〇〇先生の最新作!」って触れ込みをしとけば宣伝になりますし。


 自費出版から人気作を出し、後にスカウトされた人ですら「人気が落ちた」という理由で打ち切られかけたという話もあります。(この後に人気は盛り返して続編が出てるそうですが)一度人気が出ても作者の名前が覚えられず、新作が売れなかった・盛り上がらなかった、なんて話も珍しくはありません。


 ここまで厳しい時代ですから趣味でもない限り「小説家を目指してます」という人は「文体にも気を使わなければならない」という話です。要約すると。私も気を使っていますが、正解は未だに見つかりません。


 ライトノベルは特に作家の人数があまりに多すぎるがゆえにすぐ切り捨てられる時代です。一巻だけ出て後は出ない――人気作を出したけど盛り上げるだけ盛り上げてさようなら――よくある話です。暗い話にはなってしまいますが、これらの現実を見据みすえた上で「愛されるには?」を常々考えていく事、これもまた重要な事だと思います。


 一番上達するのはやっぱり「小説の書き方」たる本を読む事ですが、「好きな商業作品を読む事」ももちろん重要です。漫画じゃないですよ、小説の方です。そこで「ここまで表現すれば、自分はここまで頭に風景を描ける」とか、後は「三人称一視点が小説はオススメ」といった感じで、書き方の基本を押さえていくことが重要でしょう。

 

 自分もズブズブのオタク世代なので、時代の移り変わりを本と一緒に過ごすと「面白い」がどういう物なのか、気になって調べて、本を買っては読んで「えぇ? こんなんが面白いの?」と首を傾げる時もありました。ブームはいつ来るか分かりません。


 最後にここまで読んだ人へ――厳しい言葉も沢山書いて行きましたが、何が面白いのか、何が爆発するのか、世の中は分からないものです。もし将来本を出したい!売れたい!って考えているのなら、ぜひ自分が「面白い!」と思ったものを大事にして、他人の「つまらない!」は世間の流れから見て、あまり当てにならない事もどうか念頭に置いてくださいね。大体「つまんない」って言われてる作品は売れてますから。


 でも有名な作家さんだって何度も失敗してるし、何度も落選してようやくその位置にいる訳です。


 もし沢山の人に読んで欲しいのなら「皆に面白いと言って貰える努力」「もっともっと面白くするための努力」これを忘れてしまって、ただただ「読んで!」ではだーれも読まなくなっていくでしょう。先ほど書いた「文体」もそうです。


 自分が楽しまないと作品は書けませんが、そこから人も楽しませないと人気は出ません。どんなに人気のある作品も調子に乗って「どうせ金払うだろ」と油断したら、お客さんの信用を裏切っていた……なんていうのも、よくある話です。


 レベルアップしていくために、大人も子供も作家は勉強や持続していくことが大事です。誰も近道は出来ません。どうか沢山好きな本を見て、そこから真似して行って、自分の好きを増やしていき、いつか好きな人と同じ舞台に立てるよう作家を目指す人はお互いに頑張りましょう。


 以上、納人拓也でした。


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