第4話『浦島と乙姫』
昔昔。ある所に、浦島太郎という青年がいました。
青年は心の優しい人で、傷ついている人がいたら放っておけない性格です。
ある日、浦島太郎は海でいじめられている亀を救いお礼に竜宮城へと連れて行ってもらいました。
竜宮城についた浦島太郎は散らかっているお城を見てびっくり。乙姫はお掃除が苦手なただの女の子だったのです。
浦島太郎はそんな乙姫を放っておけず、まるで保護者のように世話を焼き始めました。
こうして浦島太郎は、周りの人達から「おじいちゃん」と呼ばれるようになるのでした。
めでたしめでたし。
《水戸side》
あっという間に日が落ち、あたりは暗くなってきた。このままでは足元が見えにくくはぐれやすくなる、という春樹の提案で一旦部屋で休むことになった。今は休めるような部屋を探している最中だ。
「部屋は沢山あるみたいですが…休めそうな場所は見当たりませんね…」
「うーん…そうだな…。ん?おい、琴梨はどうした?」
「あ、琴梨はもう寝ちゃってます。彼女、力の能力のせいで眠気がすごいんですよ。」
と、神希はおんぶしている琴梨の頭をポンポンと撫でた。
「なるほどな…じゃあ横になれる場所もあった方が良いか。」
「それなら、保健室とかないのかな?ここ学校でしょ?」
綴が横から顔を出した。
確かに…保健室なら休めるし、多少の怪我も治療できる。
「そうだな。じゃあ保健室を探そう。保健室なら確実に1回にあるはずだから…っと、もしかしてここか?」
看板には確かに『保健室』と書かれている。
「お!ここだね!じゃあ開けてみようか!」
綴が扉に手をかけた時、中から小さく物音が聞こえた。
「おい!綴!待て!」
「へ?なーに水tっっっっっ!?!?!?」
私の注意が間に合わず、綴が扉を開けた瞬間だった。
保健室の中から大量の水が一気に発射されてきた。
「!?!?!?綴!?」
「へあ!?綴!?びしょ濡れじゃん!?」
「あわわわわ!?!?大丈夫ですか!?」
春樹や神希も慌ただしく綴に駆け寄る。
その時、保健室から身長の高い人影がこちらに近づいてきた。
「!?敵!?みんな、下がって!」
春樹がみんなの前に立ち、庇うように腕を伸ばした。
身長の高い人影がこちらに向かって身を投げ出した。
「っ!春樹!」
水戸が大声を上げた瞬間、大きな人影の招待がわかった。
「すみません!!!大丈夫でしたか!?目に入っていませんか!?!?」
一人の青年が土下座をしながら綴を心配しに来た。
「ゲホッゲホッ…お、俺は大丈夫です…って…もしかしてあなた…」
「あれ、この人ってたしか『おじいちゃん』で有名な三年生じゃなかったっけ?」
春樹が青年を見てそう言った。
「お、おじいちゃん!?まだ若いですよ!?失礼じゃないですか!!」
「そうそう!僕がその『おじいちゃん』で有名な黒羽 世宗 (クロバ トキムネ)だよ!君はたしか、舞奈華 神希…だっけ?一年生の!」
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