#49 大陸コンプレックス


 自分が大陸に生まれて大陸で育っていないという事実にコンプレックスを抱いている。少し前に、日本が満州を持っていたままだったら日本人の世界観はどのように今と違っていただろうかという旨をツイートしたことがあった。これは被占領地域の人間にとっては腹立たしい仮定だと思うので、不適切なツイートだと思う。ただ、1つの思考実験として語らせてほしい。

 国境がいくつかの国と面していて、複数の民族や複数の宗教観が混在していることが当たり前の世界に生まれていたら、そうでない場合よりも多様な世界の見方をすることができたのではないかと、大陸に住んでいる人たちを羨んでいるのだ。もっと簡単な言葉を使ってよいならば、今よりも自分は賢かったんじゃないかと。書く小説も違っていたのではないだろうか。日本人が単一民族だと言っているわけではない。だが、現状としてはかなり透明化されている。何も考えずに生きていると、保守論客による「日本人は単一民族」という戯言にコロッと騙されてしまう(経験談)。

 自分の足で歩いて行った先にまったく違う文化で作られた社会が広がっているということが当たり前であるというのは、いったいどのような感覚なのだろうか。。想像できるだろうか。私には想像できない。自分が足を降ろしている土地が広大であるということ。ただそれだけのことなのだが、それが酷く羨ましい。

 ただただ羨ましいという気持ちを開陳するだけの文章になってしまった。非常に偏った考え方だと思う。日本の本当の姿が見えていないという批判もあると思うのでそうした批判は受け入れる。今自分が大陸へのコンプレックスをもっているという、ただそれだけの報告とさせてもらう。これから先、考え方が変わったらまたここに書きたいと思う。


2022年1月29日

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