前のエピソード――#43　口内炎が痛い

　突然だが、自分は『汽水域観測船』というサークルに所属している。先日の文学フリマにて、『いなくなった相手の煙草を戯れに吸ってみる百合アンソロジー』という本を頒布させていただいた。今気付いたけれど、カクヨムはリンクなどを貼ることができない。つまりこの重要な場面で宣伝をすることが出来ない。noteなど他の媒体を使うことも検討しよう。

　弊サークルに来てくださった方の一人が「この作品には、不適切な場所や場面で煙草を吸うシーンは入っているのか」という質問があった。もしあるなら、それが気になって内容を楽しむことができない、おそらくそういう意図での質問だったのだと認識している。

　自分が扱っている題材が比較的デリケートなガシェットだったということを、今更ながら認識した。

　結論から言うと、不適切な場面での喫煙シーンは存在している。だが、基本的に、すべてのシーンには意味がある。作者による綿密な設計の場合もあれば、作者の意図しない無意識な表現が表出したのかもしれない。

　とにかく、そのような不適切な場面で煙草を吸っているのか、そのシーンによって何が表されているのか、なぜそのシーンが必要なのかを読み取ってほしい。煙草というガシェットにはそれだけの力があるし、そうした煙草の可能性を作者が引き出してくれることを願ってこのアンソロジーを企画している。

　名も知らない読者の皆様が、本アンソロジーを楽しんでくれることを祈っています。

2022年1月19日