　人の身体には不可解なところが多々ある。食道と気道が同じルートから枝分かれしているのはどう考えても設計ミスだ、という怒りの声をよく聞く。それは自分もそう思う。炎症を起こした部位が膨らむことにも、自分は納得いっていない。

　肺の問題については、古生物学の解説をしているYouTubeのチャンネルにその答えがあった。肺の起源は何か？　というのがテーマの動画だった。なんとなく、エラが肺に変化したと考えている人が多いのではないだろうか。だが答えは違った。肺は、胃や腸などの消化器官が変化して生まれたものだというのだ。確かに、肺も腸もやっていること自体は同じだ。だが、方や目に見えない気体、もう片方は固体と液体が混じり合った生もの。扱っているものがあまりにも違いすぎて、その間の共通点を見逃していた。

　実はまったく違うものが起源だった……という例は、古生物学以外にも沢山ありそうだ。SF的な思考力が試される。

　炎症部位が膨らむのはやはり許せない。5回噛んだ口内炎がまだ痛んでいる。出る杭は打たれるが、膨らむ口内炎はもっと噛まれる。引っ込んでくれないだろうか……。

2022年1月18日