◆第186話・読了時点のレビュー◆
明暗のメリハリが良い雰囲気の、ダークファンタジー作品。
ダンジョンが発生した現代を舞台に、ないない尽くしの少女が相棒の金属バット片手に生きていきます。
主人公が『力』に慢心することなく、地に足をつけて少しずつ強く成長していく物語だと感じました。
レビュー投稿時現在、彼女たちの住む世界に急速な変化が起こりはじめました。
これからの展開がどうなっていくのか、とても楽しみな作品です。
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▼世界観
ダンジョンの設定や主人公の能力も含めて、物語のバランスが上手く調整されています。
序盤は軽やかに物語が進み、タグにある『ダーク』なところはあまり感じません。
しかし話が進むうちに暗く不穏なものが徐々に顔をのぞかせます。
なぜ、どうして、どうするのか。
読者としては少しずつ違和感を覚えるように、いろいろな疑問や気になることが増えていきました。
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▼戦闘面
探索者の上位レベルは現段階で『数十万』という驚きの数字が確認されています。
そのため、フォリアに多少の反則じみた能力(驚きの経験値アップ倍率)があったとしても上には強い存在がいるので、そう簡単に最強にはならないと分かります。
また彼女が手に入れた『力』には、はっきりとしたメリット・デメリットが描写されています。
強大な『力』は、それに伴う『器』がなければ『諸刃の剣』でしかありません。
下手をすれば自らの力で致命傷を負うことも予想できます。
彼女は身をもってそれを理解し、手に入れた力のさじ加減を覚えながら鍛錬して探索者稼業をこなしていきます。
もちろん時として危険なことに足を突っ込んでしまうこともありますが、彼女の性格を知っていくとそれは納得できる場面だと感じました。
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▼登場人物
基本的に主人公の『フォリア』の視点で進められるこの物語。
彼女はおバカかわいい少女で見ていて飽きません。
数字には強いものの、少し国語力が弱い。
たまに妙な覚え間違いをした『言葉』を口にすることがあり、食欲に従順なところと合わせてチャーミングです。
また対人関係にややトラウマを持ちながらも、少しずつ他者と良い関係を築いていく様子は微笑ましいです。
フォリアの性格面は良いところも悪いところも程よく描写されており、親しみやすい人間味がありました。
主要な登場人物たちは、多少のクセはあるものの優しく魅力のある人々ばかりです。
当たり前にフォリアを心配することはあっても、無闇にチヤホヤすることはありません。
一人の少女として、一端の冒険者として、比較せず扱ってくれるのが好印象でした。
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※2021/06/25 一部修正
※2021/07/07 一部修正