後編:まぁそうなるよね・・・
"いいかげん気付けよ!!!!"
って思いはしたけど結局先輩と後輩の枠から私自身抜け出せずに気が付けば新学期。
気が付けばもう私も高校3年生だ。何だかあっという間だったな高校生活。
まぁそれはさておき、新学期を迎え2つほど気になることがあった。
1つは新入部員。
今年もまたたくさんの新入生が仮入部してくれた。
・・・まぁこの中の何人が残ってくれるのやらという感じだけどね。
で、そんな新入部員の中にちょっと驚く逸材が居た。
言わずと知れたバスケ部のエース小早川さんの妹さんだ。
料理部と兼部らしいけどお姉さんがバリバリの体育会系なのに運動よりも本を読んだり料理をしたりしている方が好きなんだとか。
外見も小柄で可愛い系な感じで綺麗系の小早川さんとは雰囲気が違うんだけど、驚いたのが既に彼氏が居て一緒に入部してきた事。
なんなの最近の新入生!!中学とかでもう彼氏いたりするの?
(渋沢君や星野君には"そんなもんっすよ"とか言われたけどさ)
ちなみにその彼氏さんは高坂君って子なんだけど、こちらもちょっと可愛い感じの眼鏡君なんだよね。
・・・なんというか創作意欲がわいてくる。
この先も私の作品のモデルとして是非とも2人には部活に残って欲しい。
そしてもう一つ。
こっちはあんまり嬉しくない話だけど最近渋沢君に女の影が見える!!
お昼とか部活前とか渋沢君のクラスに声を掛けに行くことがあるんだけど、結構な頻度で楽し気に話をしている女子が居る(だから、中々声を掛けずらい)
確かバスケ部の子だったと思うけど毎回同じ子で渋沢君も凄く楽しそう・・・それに客観的に見て可愛い方だと思うし・・・胸がデカい!!
ラノベとかなら部活の先輩ってそんなに悪くはないポジションだと思ってたけど同級生で可愛い体育会系女子ってのは反則よ!
それに部活の時それとなく聞いてみたら、彼女もアニメやラノベとかが好きで小説やDVDの貸し借りもしてるとか・・・
私から見てあの子は渋沢君の事が好きなんだと思うけどこの時ばかりは渋沢君の鈍感なところがありがたかったわ(可愛そうなくらい気が付いてないね・・・)
でもほんと、渋沢君がボッチだと思って油断してたけどかなり強力なライバルね。
---------------
とある部活の日。
例の如く私は渋沢君とラノベ談義をしていた。
「あ~ 私もこの小説みたいな素敵な彼氏が欲しいなぁ~」
そして、ラノベのストーリーに沿うような形で"彼氏欲しい"アピールもそれとなくしている。まぁ毎回軽く流されちゃうんだけど例の女子とはまだ付き合っていないみたいだし私にもまだチャンスはあるはず!
「あれ?早瀬先輩ってリアルの恋愛とか興味あったんですか?」
「 失礼な!私だって普通に女子高生よ。仲が良い友達は彼氏いるし私だって高校生のうちに彼氏位欲しいわよ」
「そうなんですねぇ~ でも先輩美人さんだからモテそうですけどね」
私の事を美人って言ってくれるのは嬉しいけど残念ながらちっともモテないよ。
確かに入学したばかりの頃は告白とかされて彼氏が出来そうになったこともあったけど本性だして色々とオタな話とかしだすと引かれちゃうんだよね。
変に取り繕ってまで彼氏を作りたくないし・・・
唯一前部長の小山内さんは良い感じかなとか思えたけど、そういう人に限って彼女さんがいるんだよね。
はぁ~美人とか可愛い(言われてない)とか思ってくれるなら私の事を彼女にしてよほんと・・・
「ちっともそんなことないよ。全然モテないし。
それより渋沢君は彼女作りたいとか無いの?」
ほら、どうよ?作りたいとか言ってくれたら立候補しちゃうよ♪
「僕ですか?今はいいですって感じかな」
え?いいの?彼女いらないの?
健全な男子高校生のセリフとは思えないよ?
もしかして私の創作本みたいにそっちの人だったの?
「そ そうなの?ほら、最近よく話している女子とかもいるじゃん?」
「大室さん?確かに話してて楽しいし、僕の彼女だったら嬉しいですけど・・・僕なんかじゃ釣り合い取れないですよ。
彼女って明るくて可愛いし、バスケ部でも活躍してるクラスの人気者なんですよね。だから僕なんかと話してていいのかなとか思っちゃうくらいですし」
「そうなんだ」
何だかあの子(大室さん?)に少し同情しちゃうな・・・
でも、それって自分の評価低すぎだよ。
「それに友達は彼女持ちが多いですけど、僕から見てもカッコイイ奴らなんですよね。それに比べて僕は。。。
だから彼女を作るにしてももう少し自分に自信が持てる様になってからかなって」
「そっか。私はそんなに悪くないと思うけど・・・真面目なんだね渋沢君って」
「ありがとうございます」
ほんと、真面目。
でも・・・もしかしたら私も同じなのかもね。
自分から告白とか出来ないのって。
---------------
そして気が付けば卒業式。
私は前々から興味があった被服系の学科のある都内の大学へと進学した。
コスプレ用に衣装とか作っていたけど、服のデザインをしたりと洋服作りは楽しいしそっち方面の仕事に就きたいという思いがあったからだ。
それに学科は違うけど麻友や美津子、それに南も同じ大学の志望だった。
みんな揃って合格したし、きっと楽しいキャンパスライフになるだろう(まぁ私以外彼氏いるけどね)
そんな事を思い、卒業式の後、私は思い出深い文芸部の部室へと足を運んだ。
「あ、先輩!卒業おめでとうございます」
「ありがとう。渋沢君」
「先輩には色々とお世話になりました。大学行っても頑張ってくださいね」
現部長の渋沢君が部室に居た。
まさか会えるとは思ってなかったけど・・・最後の悪あがきしてみようかな。
「うん。でも、とうとう高校生の間に彼氏できなかったなぁ~」
「はは またその話題ですか♪先輩ならきっと大学ではモテモテっすよ」
そんな楽し気に言わないでよ・・・
「そ そうかなぁ~? あ、でも今日ならギリ高校生って言えるかもなんだけど」
「まぁ確かに。でも流石に無理なんじゃないですかね」
「そ そうだよね・・・はは」
「そうですよ♪」
やっぱり無理か。。。
この鈍感君じゃ今更だったわね。
「まぁ渋沢君も自分に自信が持てる様、高校生活悔いが残らないようにね」
「はい ありがとうございます!」
渋沢君・・・もっと自分に自信もって良いと思うよ。
じゃないとあの子も可哀そうだし。
それに私も自分にもっと自信が持てる様になったら・・・その時は。
********************
7年目の約束の2人と同級生の早瀬さんをヒロインとしたお話でしたが、何となく
あなたの事が好きになったのかもしれませんのスピンオフみたいな感じになってしまいました。
短めのショートストーリーをエピローグとして近々書いて完結となります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます