第66話再びの女子会~清水綾視点~

 お、男の子の……アレを初めて見ました……。


 え!?アレってあんなに大きくなるの!?


 ……衝撃的でした……誠也のしか知らないし……。


 し、しかも……その、アレから……はぅ……。


 あの後のことは、正直あまり記憶にありません……。


 ただパニックになり、アワアワしている間に冬馬君は帰っていました……。


 お、お母さんにも言えないし……。


 あ、明日……どんな顔して会えばいいの!?


 え?休む?で、でも……と、冬馬君が気にしちゃうよね?


 そ、それに休んでもお見舞いに来るだろうし……。


 う、うぅ〜!ど、どうしよう!?


 ……結局、その日は中々眠ることは出来ませんでした……。





 次の日、私がいつもの待ち合わせ場所に行くと……。


 と、冬馬君は、意外と落ち着いていました!


 ……私がアワアワしているからって……むむ〜、ズルイです!


 し、しかも……耳元でどうだった?って……し、知らないよぉ〜!


 結局授業も集中できず、お昼ご飯中も2人ともぎこちなかったです……。


 私はとりあえず、加奈と愛子に相談することにしました。


 ……つまり……再びの女子会なのです!






「ねえ?私の家じゃダメだったかな?」


 少し人には聞かれたくない話だったんだけど……。

 このファミレスだと、聞かれちゃうかも……。


「ごめんね〜、綾。私もこの後デートだからさ〜。それにここ端の席だし、人も今は少ないから平気だよ」


「え!?愛子、新しい彼氏出来たの!?」


「うん、そんな感じ〜。綾たち見てたら、良いなぁって……」


「え?そ、そうなんだ……エヘヘ〜」


「良いわね……私も作ろうかしら?でも、そうすると時間が……悩みどころね」


「加奈はモテるのに全然作らないよね〜」


「今は、勉強や将来のことを考えているからだわ。早く大人になりたいもの……」


「うぅ〜、耳がいたいですな〜」


「わ、私も〜」


「フフ、別に人それぞれよ。で、どうなったのかしら?詳しく話しなさい。彼氏からは許可を得ているわ」


「え!?そ、そうなの?えっと……実は……」


 は、恥ずかしかったけど……一通りの説明をしました。


「へ〜、やるじゃん。綾が最後まではしたくないことを了承したんだ?中々できる男だね〜」


「そうね、そんなの良いじゃんって強引に迫る男が多いでしょうね」


「そ、そうなの?は、初めての彼氏だからわかんない……」


「良いなぁ〜、綾は恵まれてるよ」


「そうね、綾を好きで大事に思っているのね」


 ……そ、そうなんだ……。

 と、冬馬君は私が大事……エヘヘ……嬉しいな。


「まあ、ニヤニヤして……で、吉野のアレはどうだったの?」


「ア、アレって……アレはアレ……ふにゃ〜」


 か、顔が熱いよぉ〜……。


「綾、落ち着いて。これは、割と大事なことなのよ」


「そ、そうなの?」


「そうだよ〜、私達だって興味本位だけで聞いてるわけじゃないんだよ〜?」


「えっと……これくらいだったかな……?」


「へ〜、そっちもハイスペックかぁ……うん、理想的かもね。綾次第だけど」


「そうね、長さは平均より少し上で太さも申し分ないわね。後は、綾次第ね」


「ふえっ?ど、どういうこと?」


「……カマトトぶってる訳……じゃないんだよな〜、綾だし」


「そうね。多分知識としては知っているけど、自分に置き換えられていないんだと思うわ」


「え?え?な、なに?」


「だから……アレが、綾の……に入るんだよ?」


「ひゃ!?え!?えぇー!?」


 ア、アレが……私の……に……?

 ど、ど、どうやって?

 え?そもそも……を見せるの?

 ……無理だよぉ〜!!


「綾、静かに。後は、吉野がそっちもハイスペックか……それと身体の相性次第ね」


「そ、そういうものなの?」


「そうだね〜。どんなに好きだったりしても、痛い時は痛いし」


「それで別れるカップルも多いわ」


「……ど、どうしよう……?と、冬馬君に嫌われたくない……」


「痛い場合は我慢せずに言った方が良いわ。それを無視するようなら別れなさい。ろくな男じゃないから。まあ、吉野なら心配なさそうだけど」


「そうね〜、そんな感じする。正直に言わないと、男はわからないしね〜。もちろん、私達にも男のツラさはわかんないけど……」


「それは一生の課題よね……まあ、色々言ったけれど……今は失敗しても良いと思うわ。2人共初めてなら、仕方のないことよ。それよりも、そのあと気まずくならないようにしなさい」


 ……頭の中がグルグル回ってる……。。

 ……結局、やってみないことにはわからないってこと?

 ……でも、聞いてもらえて良かった……。


「う、うん!が、頑張ってみる!2人共、ありがとね!」


「ううん、気にしないで〜。綾とこういう話できて楽しいし。今までは、出来なかったし」


「あっ……そ、そうだよね、ごめんね……」


「別に謝ることないよ〜。綾とは一緒にいれば楽しいし」


「そうね、それには同意するわ」


「……エヘヘ、ありがとう……」


「ん?あっ!?彼氏きた」


 ファミレスに、ガラの悪そうな男の人が入ってきました。

 年齢は、少し年上に見えます。


「おい、愛子。なにしてる?」


「ごめんね〜、女子会してて」


「……ほう?随分……」


 ゾワッ!?わ、私……こ、怖い!?

 な、なに?ど、どういうこと?


「ちょっと!?綾は彼氏いるから!てゆーか、彼女いるんですけど?」


「悪い悪い……永倉慎吾だ、よろしくな。じゃあ、行くぞ」


「うん!」


 2人は腕を組んで、ファミレスを出て行きました……。

 な、なんだったんだろう?

 愛子の彼氏なのに、嫌な感じがした……?


「……また、厄介そうな男を……心配ね」


「え?そ、そうなの?」


「視線感じたでしょ?舐め回すような……」


「あ、あれって……そういうことなんだ……なんか、怖いなって……」


「本能的に危険を察知したのね……あの子、男運がないから。ただ、今回のは特にマズそうね。綾……私、少し調べてみるわ。なにもなければ、それならそれで良いわ」


「わ、私も手伝う!」


「綾は……むしろカモがネギ背負ってくる感じね……私は、一応アテがあるから」


「どういう意味?」


「多分、ガラの悪い人が多いところに調べに行くのよ。綾なんか、すぐに拉致されて……まあ、危ないわ」


「で、でも……加奈だって……」


「私はアテがあるから……もしあれなら、吉野に頼んだら?」


「え?め、迷惑じゃ……」


「そんな男かしら?」


「ううん!わ、私が勝手に……」


「多分、綾を心配するわよ?」


「そ、そっかぁ……うん、聞いてみるね」


「よし、決まりね。さあ、帰りましょう」


 その日は、そのまま家に帰りました。




 私は部屋の中で思い出していた。


 ……愛子には、本当に良くしてもらった。


 女子に嫌われてた私を、愛子は守ってくれた。


 見た目はギャル系だし、言葉遣いもアレたけど……。


 優しくて友達想いのいい子なのを、私は知っている。


 なにもなければ、それで良いの。


 でも、何かあるなら……私が愛子の力になりたい。


 それが親友愛子に出来る、私なりの恩返しなんだ。












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