ぱきりと音がした
ぱきりと音がした
気持ちのいい音
食べ終わったあとの
割り箸を
真っ二つに割った
ささくれみたいな
断面図
ごみ箱に放り込んで
見えなくなった
おなかが空いたときに
ごはんを食べられるわけじゃあない
食べたいものを
食べられるわけでもない
食事というよりかは
ただの栄養補給
変わりばえしない
繰り返される行為に
疲れさえ感じてしまう
ぱきりと音がした
すかっとする音
手を組んで伸ばしたら
指の骨が
一斉に鳴った
少しばかり疲れと不満が
取れたような気がして
ふいに身体が
軽くなった
言いたいことを言って
解決するようなことじゃあない
言いたいことを
言えるわけでもない
支えるというよりかは
たんなる尻ぬぐい
変わりばえしない
繰り返される日々に
辟易してしまう
ぱきり音がした
清々しい音
仕事終わりに
ぼくの心は折れた
駅のホームに滑り込んでくる
終電の車両に
吸い込まれてしまったら
どんなに楽だろう
理不尽な言葉で突き刺されて
傷つかないわけがない
ぼくに非があるのか
非があればなにをしてもいいのか
仕事というよりかは
自分をいじめるだけの苦行
変わりばえしない
繰り返される出来事から
解放されよう
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