路線図
ぼくの言葉はだれかに
届いているだろうか
人はみな 手帳を片手に
白い世界を彷徨い歩いている
真っ新な手帳とにらめっこして
文字を落とし込む
マンションのベランダみたいに
ずらりと並んだカレンダーの枠
新品の予定を丁寧にはめ込む
枕木を一本一本置くように
一つ予定を書き上げては見直して
ぼくだけの路線が出来上がっていく
きょうのぼくはなにができるだろう
きょうのぼくはどこに行くのだろう
ぼくはなにものかになれるだろうか
ぼくの景色をだれが一緒に
見てくれるだろうか
人はみな 灯りを片手に
帰れる場所を探しつづけている
線路が海につづいていたら
海の底で輝きを見つけるかもしれない
自分が持ってはいない色の光
山の上で見る夜空の星々みたいに
ばらばらに散りばめられた光
手を伸ばしては虚空をつかむ
一度目を瞑り 開けてから
地面を一歩一歩踏みしめて
一つ一つ予定を遂行していく
ぼくだけの路線を走っていく
もしかしたら ぼくの隣を
だれかの路線が走っているかもしれない
あしたのぼくはなにができるだろう
あしたのぼくはどこに行くのだろう
ぼくはなにものかになれただろうか
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