202010 ジャパロボ 34

渋谷かな

第1話 ジャパロボ34

「ウワアアアアアー!?」

 優子はクレオパトラの呪いで動きを封じ込められ、一方的にポイズン・スコーピオン・エジロボの攻撃を受ける。

「どうだ? 手も足も出まい。何の罪もないエジプトの人々が日本の侵略戦争の性で蹂躙され犠牲になってきたのだ! その痛みを今度は日本が味合うがいい!」

 戦争は悲劇を繰り返させる。

「くらえ! 砂漠のサソリの猛毒を! ポイズン・スコーピオン・ビーム!」

「ウワアアアアアー!?」

 手も足も出せない優子。

「何か・・・・・・何か突破口を探さないと・・・・・・クレオパトラの呪いを打ち破らないと勝機はない・・・・・・あ!?」

 その時、優子は何かを思い出した。

「おい!? 久美!? 久美!? ダメだ!? 無線が壊れてやがる!?」

 ダメージを受け過ぎた優子のジャパロボの無線は既に壊れていた。


「ブレイン・ウェイブ・システム?」

 暫し回想に入る。

「そうだ。簡単にいうと人間の脳波でジャパロボを動かしてしまおうという悪魔の装置だ。」

「どうして悪魔の装置なんだ? 想像するだけでジャパロボを動かせるなんて、便利そうなシステムじゃないか?」

「そう見えるだろ? でもパイロットには相当な負荷がかかる。当然、命の危険もある。」

「ええー!? じゃあ、麻理子はそんな危険なシステムで私たちと戦っていたというのか!?」

「そういうことだ。それに一番厄介なことは、都庁のジャパロボ開発機構から盗まれたジャパロボにもBWS、ブレイン・ウェイブ・システムが搭載されていたらしい。」

「なんだって!?」

「そうだ。もしテロリストの手にブレイン・ウェイブ・システムの設計図が渡ってしまっていたら、これからの戦いは熾烈を極めるだろう。」

 メカニックとして今後の戦いを危惧する久美。

「大丈夫。私は祐奈教官みたいに、どんな戦況でも勝ってみせますよ。アハッ!」

 優子が強くなれたのも祐奈に憧れているからである。祐奈に近づきたいと訓練、訓練の日々を努力で乗り切ってきたのだ。 

「念のために私のブラックを400パーセント増々にできるようにしておいてね。」

「体にかかる負荷が異常な数値になるぞ!? 300パーセントが限界だ!?」

「でも私は負ける訳にはいかないので。アハッ!」

 和やかに回想は終わる。


「クスッ。」

 思い出し笑いをして優子は笑う。

「私は・・・・・・私は・・・・・・どんな状況でも勝ってみせる! ジャパロボ! 300パーセント!」

 優子のジャパロボから艶の良い栄養満点のカラスの様な黒光りが盛大に放出される。

「うおおおおおおー!」

 少しずつ優子の体を蝕みながら。

 つづく。

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